飲食店開業者インタビュー VOL.25 「肉バルBRACERIA MICHELE」高橋康一さん
地元の方に愛されることがポイント
十条の駅から徒歩5分、2019年10月28日にオープンしたお店が「肉バル BRACERIA MICHELE(ブラチェリア ミケーレ)」。オーナーシェフである、高橋康一さんは、現在運営のすべてをほぼ一人で賄っています。
「徐々に地元の皆さんに来店いただけるようになりました」と高橋さん。オープンまでの道のりと、満を持しての独立した後の気持ちをお話いただきました。
―オープンは10月28日とのこと、物件契約はいつ頃に?
(高橋さん)2019年の9月ですね。独立を決意したのは、もう10年前くらいですが、2年前から独立に向けて物件を探し始めました。もちろん仕事をしながらです。中々希望とマッチする物件に出会えなかったのですが、遂に!という感じでした。
そのため、特にこのエリアについての土地勘はなかったのですが、ベストなサイズと路面という条件で即決です。
―エリア調査もされなかったのですか!?
(高橋さん)はい。私は王子在住なので、街の雰囲気などはもちろん知っていました。しかし、自分の望む条件の物件であれば、地域はどこでやっても同じだなという考えを持っていたので、特に力を入れてのエリア調査はしていません。
契約をしたのちに、周辺のお店の価格などを見て、自分のお店の方向性を定めていったという感じです。
―オープン後はすべて順調でしたか?
(高橋さん)いえいえ、予想以上にうまく行きませんでした(笑)。あれ?というほどに。
オープン準備をしていると、いろんな方が覗いてくださるので、注目されているかな?と感じていましたし、この前のお店が40年続いた鰻屋さんということもあり、地元の方々にもすぐにお店のオープンは知ってもらえたはずです。
しかし、この街は『口コミ』が重要でして、その『口コミ』が広がるまでが大変でしたね。
―地元のお客様に来店していただけるきっかけは何かあったのでしょうか。
(高橋さん)意外にも同業者の方や、同年代の経営者の方に助けられましたね。遅めの時間に来店していただき、色んなアドバイスをいただきました。
アドバイスを元に試行錯誤する中で、徐々に地元のお客様が『口コミ』を聞いたとドアを開けてくださるようになったんです。
―お店のコンセプトは、どのように決めていかれたのですか?
(高橋さん)まず、鰻屋さんからの引継ぎなので、炭が使えるという点はかなりのポイントでした。肉も野菜も炭火焼きで提供しようということは頭に浮かびました。
そして、自分のキャリアのベースにはイタリアンがあるので、パスタは外せないなと。あとは、お酒を楽しんでいただけるメニューを提供していこうと決めました。
カウンターのみですし、すべて自分で回していくので、グランドメニューのようなものは作っていません。
―カウンターの8席からはすべてが見えますね。
(高橋さん)はい。料理をしながら、お客様と会話をし、食事の様子を伺う、一人何役もこなしています。逆にお客様からもすべて見られていますけれど。過去にホールの経験もしておいて良かったなと思っているところです。
―お店の名前に込めた想いを教えてください。
(高橋さん)BRACERIA (ブラチェリア)とは、イタリア語で「熾火(おきび)」のこと。炭火で提供できるお店ということで付けました。
MICHELE(ミケーレ)は、過去に働いていたイタリア料理店での私自身のあだ名なんですよ。先輩やその時の同僚は、今でも私をその名前で呼んでくれています。
―最後に今後に向けて一言PRをお願いします。
(高橋さん)じっくりゆっくりと進んでいく感じなので大々的にPRはしません。あっ、でも最近ランチを始めました。ランチで一度来店してから、ディナーに来ていただくという方も増えたのが嬉しいですね。地元密着で頑張ります。
これから独立する方へ アドバイス 3箇条
- 其の1. 本当に心の底から“やりたい”と思わないなら、やらないほうがいい!
- 其の2. 料理人出身の方へ。料理以外も大変です。様々なことを身に着けよう。
- 其の3. 数値管理をしっかりと。
お店ができるまで
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<おすすめ料理>
トリッパの煮込み
自家製ロースハム
店舗情報
店主経歴埼玉県出身、小学生の時に料理人になると決心。 |
取材・文 青山友美 食専門のPR企画&編集・ライターとして活動中
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