開業レポ

飲食店開業者インタビュー VOL.8 BOUTARY 菊地慧さん フランスでの出会いから日本初上陸へ

画像

キャビア専門店という冠をもった、フランス発のフレンチレストランが2018年7月12日、赤坂の地にオープンしました。上陸に先立ち、日本法人を立ち上げたのが、今回インタビューに応えていただいた、菊地 慧さん。今までに経営者経験は全くなく、初めての法人設立が、外資資本というなかなかのハードル。それでも、パリでの出会いによって生まれたこのビジネスに期待は膨らむばかりだそうです。

 

旬菜鮪処 英(hanabusa) の内装

 

―なぜ、BOUTARYの日本法人を立ち上げることになったのでしょうか。

(菊地さん)はい、パリで3年半ほど過ごし、BOUTARYグループのレストランでサービスとして働いていたのですが、日本に帰国するというタイミングが昨年でした。その際、
BOUTARYのオーナーから、海外進出を考えている、そして東京もその候補地に入っているということを伺ったのです。その時は、まだ東京に決定もしていなかったので、話を伺っていただけだったのですが、後日初の海外進出は信頼できる人とチームを組みたいということになり、急遽日本法人を私が代表になって立ちあげるプロジェクトが誕生したのです。

 

―そもそも、菊地さんは独立願望をお持ちだったのでしょうか。

(菊地さん)主人が料理の世界の人間なので、いつか夫婦でお店を持ちたいなという夢はもちろん持っていましたけれど、まさかこのタイミングで法人設立を行い、代表になるという人生は頭の片隅にも思っていませんでしたね。もちろん、親会社がいる安心感はありますけれど。

 

―今回のBOUTARY日本初上陸で何が一番大変でしたか?

(菊地さん)何はともあれ、海外出資による国内の法人登記の大変さには悲鳴が出ましたね。
時差もありますし、距離もあるので、いろいろとタイムラグがでるのは覚悟をしていたのですが、提出書類も膨大でした。結果、登記までに3カ月もかかったのです。
法人設立ができないと、そもそも物件の契約もできないですし、資金の借り入れもできない状況で。何も進めることができないという状態に焦りがつのるばかりでした。

 

―ようやく物件の契約ができた時にはホッとされたと思います。

(菊地さん)はい、キャビアという食材の魅力を理解いただけるお客様の層を意識しながら、路面で本店のイメージを表現できる居抜きと、なかなか条件を厳しく探していたのですが、まさに奇跡と思えるほど本国のイメージとぴったりの物件と出会うことができました。
築年数が38年ということも有って、家賃もこの地域にもかかわらず、良心的だと思います。

 

―外観の真っ赤なデザインが、レストランというよりは、パティスリー的なイメージも。

(菊地さん)そうなんです。何のお店?と言われることが多くて。でも、この部分はあくまでも本店のイメージを踏襲するということが大前提なので、どうしても譲りたくなかったのです。その代わりといっては何ですが、店頭にフレンチビストロの看板を掲げることで、敷居を低くし、親しみやすさを出すようにしています。

 

―内観ですが、居抜きと思えないようなデザイン性ですが。

(菊地さん)壁に関しては、本国のイメージに合わせ、内側に一枚壁を作りこみ、石を掘ったようなデザインに仕上げています。この前は、和風イタリアン、割烹だったと伺っていますが、厨房機器以外はBOUTARYのブランドテイストに生まれ変わったと思っています。ある程度のルールや方針はありますが、基本的にはオーナーから任されているというのは、やはりパリでともに働いた絆から生まれていると感じています。

 

―キャビア専門店というキーワードが、日本人にはなじみがないと思うのですが、今回の出店に当たりどのように考えていらっしゃいますか

(菊地さん)はい、まさにその通りです。ただ、フランスでは、オーナーが個人ではじめた小さなメゾンからのスタートで、とてもフレンドリーなお店なんです。お客様との距離もとても近く、本国のお店はトリップアドバイザーで常に上位に入っていることでもわかるように、キャビア専門店でもありながら、旅行者でも肩肘張らずに食事を楽しめるお店なんです。そのため、こちらの店舗でもランチは2000円弱ですし、ディナーもキャビア付きのフルコースとお飲み物で12000円くらいにはなるのですが、バーでの軽いお食事ですと6000円くらいで満足いただけるように設定しています。

 

―東京のBOUTARYのこれからの目標を教えてください。

(菊地さん)現在ランチは、ほぼ女性のお客様ですね。有難いことに、口コミで徐々に広がりつつあります。ディナーはデートのカップルや、場所柄商談ディナーの方も多くいらっしゃいます。半個室も準備していますので、気軽にお問合せください。
まだまだ、認知がされていない節もありますので、料理のおいしさとレストランを楽しむというサービススタイルをぜひ体感していただけるよう、日々小さなことから努力をしています。年末に向けてのクリスマスディナーメニューなどもぜひ楽しみにしていてください。

 

これから独立する方へ アドバイス 3箇条

  • 其の1. 色んな人に何でも聞く!
  • 其の2. こだわりにこだわらない
  • 其の3. 計画・進行(時間)リミットを決めること

 

 

お店ができるまで

  • 渡仏時代ブータリーグループのレストランに勤務
  • 帰国が決まるオーナーから日本出店の企画を提案される
  • 2018年1月中旬~物件リサーチとともに、法人設立、融資活動を開始
  • 2018年3月物件契約(路面にこだわりリサーチ)

開業費内訳

  • 借り入れあり

 

<おすすめ料理>

 

フランス産鴨のロティ キャロットのコンディモン

フランス産鴨のロティ キャロットのコンディモン

 

キャビア・テイスティング

キャビア・テイスティング

 

季節野菜とムール貝のサラダ仕立て<季節物>

季節野菜とムール貝のサラダ仕立て

 

店舗情報

  • 店名BOUTARY
  • 業態フレンチビストロ
  • 住所東京都港区赤坂5-1-29
    富士屋ビル1F
  • 交通東京メトロ千代田線赤坂駅徒歩5分
  • TEL 03‐6807‐4268
  • 営業時間<火〜金>ランチ:11:45~15:00(L.O13:30 )/ディナー:18:00~23:00(料理L.O21:30) ※コースL.O20:00
    <月・土>ディナー:18:00~23:00(料理L.O21:30)※コースL.O20:00
    ※月曜・土曜はディナーのみ営業(月曜祝日の場合、火曜日はディナーのみ営業)定休日:日曜、祝日
  • 席数1Fカウンター8席
    2Fテーブル席12席
  • オープン日2018年7月12日
  • 客単価ランチ2000円/ディナー12000円/BARエリア6000円
  • HPhttp://boutarytokyo.gandi.ws/

BOURARYの外観

店主経歴

菊地慧さん
大学卒業後、フレンチ店でのアルバイトでサービスをスタート。
結婚を経て、夫婦でフランスへ。パリのBOUTARYグループの店舗で勤務。
帰国のタイミングで、本社より日本へのブランド展開業務の話がもちあがり、企画に賛同。日本法人の代表として、日本の展開を行う。

 

取材・文 青山友美 食専門のPR企画&編集・ライターとして活動中

関連情報

関連タグ