繁盛店への道

飲食店3重苦時代。原価0円で売上アップする新発想

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「また、仕入れ値が上がるの?」「毎月何かしら上がる…」と仕入れ値の高騰に頭を悩ませていませんか?また今年は賃上げの波が高まっています。大手からの波はいずれ個人店にも影響してくるはず。さらにスマホやSNSの普及による競合の激化も進んでいます。
 
「原価高騰」「人件費高騰」「競合の激化」という3重苦となっている飲食店の現状。「このままでは生き残れない」と新たなやり方を模索している飲食店経営者さんも多いでしょう。そこで、1つ提案させてください。それほど手間をかけずに、新たな売上・利益源を作る発想です。
 

■原価も人件費もかけずに売上を上げる新発想とは?

通常、飲食店は料理やサービスを提供することで、お客さまから対価を頂きます。料理を提供すれば食材原価がかかり、サービスを丁寧に行うほど人件費は多くかかります。
 
この“常識を取っ払って”はいかがでしょうか?お金を頂く相手を変える。“お客さま以外”からお金を頂く発想です。「ネーミングライツ」という言葉をご存知でしょうか?プロスポーツ業界に多く見られる取り組みです。たとえば「京セラドーム」とか「AJINOMOTO STADIUM(味の素スタジアム)」とかは有名ですね。球場や施設の名称にスポンサー企業名などをつける取り組みです。
 
ウィキペディアにネーミングライツの事例一覧がありました。この取り組みを飲食店に転用してみてはどうでしょうか?「店名」を対象にするのはリスクが高すぎるので一部に絞ります。イチオシメニューや期間限定メニューなどを対象にネーミングライツの取り組みをするのです。
 
たとえば「鳥のから揚げ」が人気のお店だったら、一定期間のネーミングライツを販売します。近隣の吉田工務店さんが購入してくれたら、その期間は「吉田工務店の社長が絶賛した鳥のから揚げ」や「吉田工務店から揚げ」などの名称にします。(ネーミングの条件は事前に設けておいた方が安全です)
 
来店されたお客さまがそのネーミングを気にしてくれたら、スタッフに質問するでしょう。「あの吉田工務店さん?」「あの角を曲がったところの?」「私お願いしたことあるよ」など、盛り上がることが想像できます。こんな時は、吉田工務店さんのパンフレットなどをお渡ししてもいいですね。
 
ネーミングライツを購入頂けたら、契約金額が売上になります。取り組みの規模感によりますが、まずは1メニューにつき、1ヶ月1万円くらいでしょうか?(成功例が増えれば額は変動できます)
 
メニューだけでなく、客席にネーミングライツを設定してもOK。(「吉田工務店の間」など)数件の契約があれば、月に数万円の純利益が見込めそうでは?
 

 

■ネーミングライツで見込める3つの効果

1:売上・利益アップ
当然、売上が生まれます。原価や人件費がかからない純利です。(契約時のやり取りや、メニュー名変更の作業やPOP作りは必要ですが)仮に3万円分の契約が生まれたら、通常売上に換算すると10万円ほどに匹敵するのではないでしょうか?
 
2:新規集客
ネーミングライツの契約金以外にも、新規集客が見込めます。(これが大きいと思われます)近隣の企業がネーミングライツを購入して下さったら、おそらくその社員さんはご来店くださるでしょう。お友だちや知人を連れてご来店くださることも想像できます。そして店内では「吉田工務店から揚げ」の話題で盛り上がるのです。(みんな嬉しい)
 
3:地域密着感の高まり
こうした取り組みを続けていくと、地域の企業とのつながりが強くなっていきます。ネーミングライツを購入した企業同士も、自然と仲間意識が生まれるでしょう。地域で働く方や生活する方に浸透していくことで、ますますお客さまの来店も増えていくことでしょう。
 
いかがでしたでしょうか?厳しい環境にある飲食店ですが、発想を変えると新たな売上利益源が見えてきます。今回の案がヒントになればとても光栄です。これからもお客さまに喜んで頂いて大繁盛されるよう、応援しています!
 
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
 
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