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「まん延防止等重点措置」18都道府県でさらに延長、飲食店で高まる疑問の声

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政府は5日、6日を期限に全国31都道府県に適用している「まん延防止等重点措置」について、18の都道府県での延長を決定した。東京都などでは1月21日から始まった「まん延防止等重点措置」が再度延長された形で、飲食店は長期の営業制限を強いられている。一方で、措置の効果や税金の使い方に対する疑問の声も上がっており、飲食店の対応も大きく分かれている。
 

18都道府県で21日まで

今回の延長措置で、まん延防止等重点措置の適用都道府県と地域は以下のようになる。
 

引用: (内閣官房「新型コロナウイルス感染症対策」ホームページ)
 
延長の理由について政府は、多くの地域で新規感染者数は減少傾向にあるものの、病床使用率が依然として高い水準にある、としている。
 

効果に疑問の声も

しかし、度重なる延長に疑問を感じている飲食店も多い。
 
「効果があるなら協力するのは良いが、飲食店がどれだけ協力しても状況が大きく変わっているとは思えない。他の原因を探らない限り意味がないのではないか。」
 
1月21日から措置が適用され、今回の延長で3月21日までと長期化している東京都内のバー(港区)の店長の言葉である。1月21日の重点措置適用以降、東京都での陽性者数と検査実施件数の推移は下のようになっている。感染防止対策の認証店であるこのバーでは開店時間を早めることで需要に対応しているが、早い時間に客足が集中し、満席となる日も少なくない。このようにも話す。
 
「お客さんの会話が盛り上がってきた時間帯に追い出すように店を閉めるのは気が引ける。」
 
また、東京都で酒類の提供が選択制になっていることにも疑問を抱いているという。東京都内ではすでに、都の方針に協力せず堂々と深夜まで酒類を提供し続けている店舗が増えている。煌々と明かりをつけている店も多く、また、中野区の居酒屋の店頭では、店を探している客に「飲めますよ」と声をかける店員の姿もあった。
 

「税金の使い方がおかしい」

税金の使い方に疑問を呈する飲食店経営者もいる。香川県・高松市のワインバー経営者は、岡山放送の取材に対してこう答えている。
 
「税金を投入するだけの明確な根拠や、費用対効果の説明責任が県として足りていない。」
 
香川県では1月から適用されたまん延防止措置による飲食店の時短営業に対して、67億円余りの協力金が県から支払われることになっている。しかし、1月以降のオミクロン株による第6波では会食によるクラスターを原因とする感染者は40人程、感染者数の0.3%にとどまっている*1。
 
一方で、昨年8月の第5波の際は41%にも上った。この時に比べれば、第6波では会食が感染を広げているとは言えない。ワインバーの経営者はこのようにも語る。
 
「あくまでも感染拡大防止のための時間短縮の協力金ですので、時間短縮をすることによって本来の目的を果たせていないのであれば、そういうところにお金を使うのはおかしい。」
 
*1「『まん延防止』対策の在り方に疑問の声… 飲食店への負担大きく【香川】」RSK山陽放送
 

「まん防」適用なしでも感染者減少の自治体も

なお、重点措置の適用を申請しなくても感染者数が徐々に減っている自治体もある。宮城県の村井知事はこのように話している。
 
「飲食店さえ救えばいいのかというのはおかしな話で、それならば同じようにお困りの色々な人たちに手を差し伸べなければ。どういうお金の使い方をすれば、患者を抑えられるのかということを国が考えるべき。」
 
飲食店ばかりをターゲットにした措置が続くことで、飲食店では従業員が物流など他の業界に流出している。
 
アルバイトの意識も変わっている。マイナビの調査によれば、3割の学生がアルバイト選びの基準が変化したと答えている。その内容は下のようなものである。
 
「お客様と接する時間が長くなる業種は避けるようになった。」「フルタイムで働けるか。休業の際に会社から手当がでるか。」
 

引用: (株式会社マイナビ「『2021年 大学生のアルバイト実態調査』を発表」株式会社マイナビ)
 
延長の理由について政府は、多くの地域で新規感染者数は減少傾向にあるものの、病床使用率が依然として高い水準にある、としている。
 
飲食店に対する「毛嫌い」とも見て取れる回答内容だ。感染者増加イコール飲食店、と単純に決めつけるのではなく、自治体には具体的なデータを元にした納得のいく説明をすべき時が来ている。
 

 

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