飲食店開業者インタビュー　VOL.27 「しみ亭」　千野善博さん／　カウンター越しに聞く、お客様の声を大切に

2019年7月10日にオープンした、居酒屋「しみ亭」のオーナー、千野　善博さん。
大型店舗の居酒屋調理から、ホール経験、そして独立に向けて個人居酒屋に勤務するなど着実に独立への階段を上がり、小田急線の梅ヶ丘駅から徒歩30秒の場所に、念願の独立です。
まだオープン半年のタイミングでのインタビューですが、地元密着という言葉がとてもよく似合う素敵な居酒屋です。

―満を持しての独立だとお伺いしましたが、契約からどれくらいでオープンをされたのでしょうか。
（千野さん）契約が2019年の6月中旬で、オープンが7月10日です。前のオーナーの方が、15年経営されていた居酒屋だったのですが、ほんとうにそのまま使える状態でした。ほとんど追加の買い物をしていないんです。暖簾、提灯、おしぼりウォーマーくらいですね。

―それは素晴らしいですね。居抜き物件のオープンの中でも素晴らしいスピードだと思います。どれくらいの期間物件探しをされたのでしょうか。
（千野さん）独立に向けては3年前から準備を始めていましたが、本気で探し始めたのは、2018年の年末くらいからですね。物件探しの条件は「広さと家賃、駅近」そして、「そのまま使える居抜き物件」ということを決めていました。
新宿の近くがいいなと思っていたのですが、なかなか条件に合うものがなかったので、新宿沿線も候補にいれて探したところ、この物件に出会うことが出来ました。

―この物件を選んだ決め手を教えてください。
（千野さん）はい、まずは先に挙げた条件がほぼそろっていたということですね。ここはB1Fですが半地下のようになっていて、外からも店内がガラス越しに見えるところが気に入りました。あとは、店内がとても綺麗だったということも決め手の一つです。
梅が丘という街に関しては、契約前にリサーチをしたというレベルで、あまり深く知りませんでしたが、地元密着型の経営にはぴったりだったと思っています。

―お客様にどのような告知をしていったのでしょう。
（千野さん）住宅街の居酒屋なので、皆さん気になって外から覗いてくださいます。オープン時には近隣にチラシは巻きました。あとは、インスタ、食べログ、ホットペッパーで告知を行いました。
あとは、知人が近くでBARをしているので、そこのお客様をご紹介いただいたりしています。とても助かりますね。

―ご来店の方の動向を教えてください。
(千野さん)それが、全然混み合う時間が読めないんですよ。このエリアは深夜営業をしているお店が少ないため、夜中のほうが混む傾向もあります。営業時間を18時～翌2時としているので。

―住宅街で2時までというのは貴重ですよね。
（千野さん）カウンターが越しにお客様とコミュニケーションを取らせていただくので、同業の方が閉店後に足を運んでくれることもありますね。
初めのうちは、定休日もなかったのですが、お客様との会話の中で水曜日を定休日にすることにしました。

―千野さんの経歴をお伺いしてもいいでしょうか。
（千野さん）はい、高校卒業後は調理師専門学校に進みました。
その後地元の和食割烹に務めたのち、東京の居酒屋に勤務しました。その居酒屋の料理長が有名ホテル出身の方で多くのことを教わりましたね。そのグループの企業には14年務め、調理場以外にホール経験も積ませていただいたことも今に生きています。
その後、独立に向けて新宿の個人居酒屋に4年半勤務しての独立です。

―オープンに向けての経験を様々積まれていたと思いますが、独立で想定外だったことはありますか？
(千野さん) 消防や保健所の申請系ですね。スケジュールが予定通りに進まないことが歯がゆかったですね。そこの調整がスムーズであれば、もう少し早くオープンできていたと思います。

―「しみ亭」という、お店の名前に込めた想いを教えてください。
（千野さん）なんか居酒屋って、沁みるという表現が素敵だなと。二日酔いの時、しじみ汁がカラダに沁みるということも意識をしてますし。

―素敵ですね。今はお一人で切り盛りをされているのでしょうか。
（千野さん）はい、ホールは混み合う時間はヘルプをお願いするときもありますが、基本は一人です。

―メニューを見させていただきましたが、とても良心的な価格でほんとに地元にあったら通いつめてしまいそうです。
（千野さん）ここは、住宅街ですから、気軽に足を運んでもらうための価格設定にしています。もちろん料理は常に丁寧に、そしてお客様を飽きさせないような工夫を心がけています。

―開店時間前のお忙しい中、ありがとうございました！近くに寄った際には必ず足を運ばせていただきます。