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バーという空間を楽しむということ  -今話題の「モクテル」って何? 後編-

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〈後編〉代々木上原 「No.」/池袋 「HANABAR」

 
こんにちは、ライターのはるまきもえです。
 
今回は、新しいカクテルのジャンルでもある「モクテル」についての調査企画第2弾!
 
近年コロナ禍が進み、飲食店の営業時間は短縮され、アルコールの提供も制限されています。そんな世の中の変化に合わせて、お酒の楽しみかたも少しずつ変わってきているのを知っていますか?話題に上がっているのが、「モクテル」という言葉。
 
「モクテル」とはただのノンアルコールドリンクではなく、カクテルの新しい枠組みとして、今注目を集めています。それを聞いて、「カクテルを真似して作ったジュースみたいなものでしょ?」と思う人も多いはず。それは大間違い!では、いったいどこが違うというのでしょうか?前回に引き続き、「モクテル」の世界をのぞいて、魅力を探っていきましょう!
 
〇前編はこちらから 〈前編〉マーチエキュート神田万世橋 「Low-Non-Bar」
 

代々木上原 「No.」

 

 

No.

https://no.301.jp
〇東京都渋谷区上原 1-33-11 TOPCOURT 4, 3F
〇営業時間:9:00-0:00
カフェ&バー。幅広い層から人気で、週末は多くのお客様で賑わう。店舗でメニューを提供しているだけではなく、オンラインサイトではカクテルの作り方やラジオ配信など、No.オリジナルコンテンツも豊富に発信している。

 
今回訪れたのは、代々木上原の駅前。3階に店を構えている「No.」というお店です。店内に入ってまず目に飛び込んだのはカウンター席。そこでは、1人で仕事をしていたり、カップルで会話を楽しんでいたりなど、思い思いの時間を過ごしている方たちが席を囲んでいます。店内は温かみのある照明で照らされていて、ホッと一息つける空間です。
 
今回出迎えてくれたのは、バーテンダーの礒口みゆきさん。さっそくメニューを拝見させていただきました。
 

▲左がアルコールドリンク、右がモクテルのメニューとなっている。
 
礒口さん「カクテルの名前は普段聞き慣れていないものが多くて覚えにくいことが多いため、No.ではカクテルの小難しさを感じさせないためにカクテルをナンバリングしています。」
 
たしかにオシャレなカクテルの名前は、長くて覚えづらいイメージ。カクテルそのものの魅力を純粋に楽しんで欲しい、という「No.」の想いが伝わってきます。
 

 
はるまき「あの奥のスペースはなんですか?」
礒口さん「No.を運営しているクリエイティブチーム301.incのオフィスです。関係している人は、中で仕事や打ち合わせスペースとしても使っています。」
 
店舗は、オフィススペースも融合された設計で作られています。あたりを見渡すと、仕事をしている人の側でカクテルを楽しんでいる人がいます。また、その横ではコーヒーをじっくり味わっている人も。
 
礒口さん「普段カフェを利用している人にとって、バーを楽しむきっかけになれたらいいですよね。」
 
コーヒーでもお酒でも。仕事でも会話でも。アルコールでもモクテルでも。自分の時間を自分の好きなように過ごせる心地よさが、この空間には広がっています。
 

▲No.1 穀物-麦
 
最初に頼んだモクテルは「No.1」。
 
礒口さん「こちらのモクテルはすべて苦味を含んでいる材料で組み合わせているのですが、甘味や酸味が逆に引き立てられるんです。麦汁の泡をカクテルに使われる卵白の代わりにひよこ豆の煮汁で表現し全体をまろやかに包み、自家製のグレープフルーツコーディアルで後味を爽やかにしています。」
 
発酵する前のビールをイメージして生まれたのが、このモクテル。まろやかな泡の奥に、麦汁の苦味を感じます。モクテルという、新しいノンアルコールカクテルの世界。その最初の扉を開いてくれるような1杯目です。
 

▲No.2 フルーツ-巨峰
 
次にいただいたのが、モクテルの「No.2」。素材の味を自然な手法で活かした「ナチュールワイン」をイメージしたこのモクテル。巨峰の赤とマスカットの白が選べ、今回は赤を選択しました。爽やかなフルーツの香りを楽しみながら一口飲むと、葡萄の軽やかな酸味がスッと喉を通っていきます。
 
今まで体験したことのないモクテルの世界を、次々と魅せてくれる礒口さん。礒口さんはフリーランスのバーテンダーで、普段はメニュー提供やイベントの活動もしているそうです。
 
礒口さん「人と人が出会い会話が生まれるバーという空間の素晴らしさや、敷居を下げてどなたでも楽しんで頂けるバーの魅力を、No.を通してお伝えできればと思っています。」
 
アルコールのプロとしてさまざまな場所で活躍している礒口さん。そんなプロが提供してくれるモクテルは、ノンアルコールということを忘れてしまうくらい、自然にバーという空間を楽しませてくれます。人と出会い、新しい世界に出会い、対話が生まれつながっていく。変化していく世の中でも、モクテルを通じて、バーという場所の楽しさを変わらずに届けてくれるお店でした。
 

池袋 「HANABAR」

 

 

HANABAR

https://www.hanabar.tokyo
〇東京都豊島区西池袋 3-30-6
〇営業時間:11:30-0:00
池袋駅から徒歩10分ほどのところにある、エディブルフラワーをふんだんに使用したメニューが特徴のカフェ&バー。昼間はランチ、夜はバーと1日を通して賑わっている。可愛らしい店内とメニューは女性客にも大人気だ。

 
次に向かった先は池袋。賑わっている飲食店が並ぶ中にあるのは「HANABAR」です。
 

▲天井には溢れんばかりのドライフラワー。
 
上を見上げると、天井を覆い尽くすほどのドライフラワー。HANABARは食用花であるエディブルフラワーをメインコンセプトに、お店づくりをしています。昼はランチ、夜はバーとして営業しているこちらの店舗。カクテルのほかにもカレーやマフィンなどのフードメニューも充実しています。可愛らしい店内に魅了されながらも、さっそくカクテルを注文。
 

▲「アイマツリカ」人気メニューの1つのクリームソーダ。ジャスミンとグレープフルーツ、レモンなどの柑橘で仕上げている。
 
たっぷりとエディブルフラワーを着飾っている、華やかなこちらのモクテル。花の香りを楽しむために、HANABARのカクテルはストローを使わずに、そのままグラスに口をつけて味わうのがオススメ。
 
店内にはセンス溢れるインテリアや小物がたくさん。女性のお客様を中心に賑わっていて、シャッターを切る音も聞こえてきます。
 
「うちのドリンクは色が華やかでカラフルなので、アイドルが好きなお客様が来店されたときは、『推しの色』を注文して楽しんでいる様子も見かけたりしますよ。女性の方以外にも、写真好きの男性のお客様もいらっしゃったりしますね。」
 
味だけではなく、お店に来てくれた人の数だけ楽しむ方法があり、カクテルの世界の広さを知ります。
 

▲「オプティミスト」3種類のベリーとライムが使われている。
 
2杯目に頼んだのはベリーの味がメインとなっているこちらのモクテル。よく見ると氷の中にもエディブルフラワーが!
 
「水を半分凍らせてからお花を入れて、もう一度水を足して氷を作っているんです。」
 
お店の内装はもちろん、カクテルにも随所に楽しませてくれる工夫が散りばめられていて、思わずノンアルコールであることを忘れて時間が過ぎ去ってしまいました。
 

バーという空間を楽しむということ

今回は代々木上原の「No.」、池袋の「HANABAR」を紹介しました。体験したモクテルは、随所に驚くような工夫が凝らされていて、「この空間を楽しんで欲しい」というお店からの想いが、溢れるほど詰まっているものでした。アルコールが飲めなくても、そんなことは気にならないほど楽しめる空間。それはプロの力によって生み出されたモクテルと、魅力的なお店づくりによって成せる技でした。
 
モクテルの魅力はまだまだあるのですが、今回はこの辺で。もし機会があれば足を運んでみて、バーという空間の楽しさを改めて堪能してみてください。
 

取材・文 はるまきもえ 

 

 

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