五反田で飲食店を開業「新しいビジネスとともに進化を続ける街」五反田駅編Part2
花街の様子を残しつつ、高級住宅街として進化をしている五反田エリア。じつはそんな五反田は近年、「五反田バレー」として新たなビジネスエリアとしての注目も集まっている。交通の便が良いことはもちろん、渋谷や恵比寿といった繁華街よりもオフィスの賃料も抑えめで、新規事業を立ち上げる、いわゆるベンチャー企業やスタートアップ企業が集まってきたため、アメリカのシリコンバレーにならってこう呼ばれるようになったのだとか。古き良き老舗だけでなく、そんな新たなビジネスシーンを受け入れるべく、新しい五反田が注目されるようになってきた。今回は、そんな新しい五反田に注目しながら歩いていきたいと思う。
最近言われる「五反田バレー」とは?
再開発とともに利便性が向上した五反田。山手線に新駅も開設され、品川駅までの利便性も高いことから、ビジネスシーンには根強い人気がある。
そんな五反田は、大型再開発とともに利便性が向上。ITベンチャーや若い起業家たちがオフィスを構えるように。
街中にはシェアオフィスなども多く、シリコンバレーになぞらえて五反田バレーなどと呼ばれるように。多くのベンチャー企業がこの街から巣立っていたのだとか。
最新注目スポットは五反田JPビルディング
2024年に新たな五反田のランドマークとなったのが、「五反田JPビルディング」。
五反田駅から徒歩5分、東急池上線で1駅の「大崎広小路駅」すぐのところに2024年に開業。
こちらのビルは、旧ゆうぽうと跡地にオフィスやシェアオフィス、ホテル、ホール、フードホールが併設された大規模複合施設。
そんな中でも大注目なのが、1階に登場したフードホール「五反田食堂」だ。
こちらのフードホールは今流行の横丁形式で、各店舗の席でその店の料理を堪能するもよし、共有スペースとして利用できるカウンター席やソファー席などに色々な店舗の料理を持ち寄って楽しむこともできるスタイル。
大会で優勝経験のあるバリスタのいるロースタリーカフェ「Specialty Coffee AMAMERIA五反田食堂店」が商業施設に初出店。テイクアウト可能なので、シェアオフィスやオフィスで働く人の強い味方。「キタデタコス五反田店」は無添加にこだわった本格的メキシカンタコスが堪能できるタコス専門店。
「おいしいパスタ」は、ミシュラン獲得店としても知られる代々木上原「sio」が手掛けるパスタ専門店。シェフの運営するYouTubeでも人気だったという「無限パスタ」をはじめ、色々な種類のパスタが堪能できる。写真のサイズは並で、お腹の空き具合によって量を変えられるのも嬉しいところ。
数年先まで予約の取れないと噂の名店「とだか」の4店舗目である「ここにもとだか」、こちらであれば予約がなくても五反田の象徴的グルメが気軽に楽しめる。「大衆ステーキ酒場 ビーフキッチンスタンド 五反田店」は、50gが290円という驚きの価格でビフテキがいただける肉バル。ガッツリ食べたいそんな日にピッタリ。
2階には大小様々な個室や多彩な共有スペースを有するシェアオフィス「co-lab」が。3階には400㎡の「CITY HALL &GALLERY GOTANDA」があり、ギャラリーは約100名、ホールは435名が収容可能な本格的な施設となっている。
五反田JPビルディングには、注目のホテルもオープン。こちらの「OMO5東京五反田by星野リゾート」は、名前の通り星野リゾートが展開する街ナカホテルブランドとして、五反田にオープン。地上60mに水景を備えた空中庭園がひろがり、他にも星野リゾートならではのゲストを楽しませる仕掛けが満載なのだとか。
酒呑みの街・五反田で注目の店
働く人が増えれば、当然飲食店も増える。酒飲みを魅了してやまない、そんな五反田の街を彩る呑める店の数々。まずは新しい五反田を象徴すべく、ネオ系とも呼ばれるお店をご紹介。
実はネオ系の元祖なのでは?と勝手に思い込んでいたのが、「よしこ」。こちらは実は、あの「大阪焼肉ホルモンふたご」の系列店で、オーナーである双子の兄弟の、おかんの餃子を再現して提供しているのだとか。オープン当初はひっそりしていたこちらのお店も、今や大人気で週末は予約が必須。古い昭和の中華屋さん感も良いアクセントになっている。
大阪で人気を博して東京に進出し、ネオ系を牽引するとも言われる「大衆食堂スタンドそのだ」は、こちらが東京1号店。大きなのれんをくぐれば、レトロで昭和感あふれる中にもおしゃれな雰囲気が広がり、食べて呑めることで人気の一軒。
「タロウヤマダ」は、2024年12月に開業した洋酒場。人気店を展開するジリオングループの新店ということもあって、注目度は急上昇。
クラフトビールを楽しむならこちら。「クラフトマン」は、日本全国から選りすぐりのクラフトビールと。ワソアイを大切にしたビストロ料理が堪能できる。
「ヤオロズクラフト」は、熟成地鶏とクラフトビールが楽しめることで知られるが、関東ではここでしか飲めないという新潟県南魚沼市のクラフトビール「RYDEEN BEER(ライディーンビール)」を目当てに来る人も多い。
五反田には酒が楽しめるお店が多いのも特徴。「酒肴あおもん」は、青魚が美味しいことで人気の大人の酒場。名物のアジフライは、日本一軽いアジフライと言われるだけあって、何枚でも食べられそうだ。知らないと通り過ぎそうなので、この青い丸印の看板を目印に。
「酒場それがし」は、純米酒が楽しめる一軒家の日本酒居酒屋。潔い酒場という看板が目印。
大正4年創業という歴史ある「桑原商店」は、酒屋の元倉庫をリノベーションして夕方からは角打ちを展開。日本酒が週替わりで約40種類と豊富で、カジュアルにキャッシュオンスタイルで楽しめる。
「SAKE story」は、日本各地の日本酒を旅するようにつまみともに堪能できる居酒屋。3ヶ月に一度、地域を変えてメニューが入れ替わるというシステムもワクワクが止まらない。
「酒・蕎麦 田治」は季節の純米酒と自家製蕎麦が楽しめる蕎麦居酒屋で、仙台の根せりを使って供される絶品のせり鍋は冬の風物詩。
「野崎屋」は、なんと160種類の日本酒を取り揃えた日本酒居酒屋で、つまみにも定評がある正統派。
「魚金」は、ビストロ業態も含めると五反田に3店舗。酒と肴には定評があり、ボリューム満点の刺身盛合せは、来店客の多くがオーダー。
池上線の高架下にはワクワクがいっぱい
東急池上線の五反田駅から大崎広小路駅間も、新たに開発が進む場所の一つ。
そんな高架下全長約230mの場所にも、新たなスポットが続々とオープンし、夜になると賑わいを見せている。
「FAR EAST TOKYO」では、店内の醸造所で作られている新鮮なビールが楽しめ、早い時間の0軒目で盛り上がる人の姿も。
80席の広さで便利使いが可能な「本格焼鳥 五反田富士屋」は、寒い季節には博多もつ鍋も堪能できる。
五反田の駅に程近い場所に位置する「五反田桜小路」は、横丁スタイルで8店舗が並び、夜の帳が下りる頃に、賑やかさを増すエリアになっている。
有名シェフが腕を振るう
五反田には、高級住宅エリアがあることも手伝って、有名シェフの名店や高級店が実は多いことでも知られている。
こちらは、2006年にオープンし、2008年からミシュランの三ツ星を獲得し続けているフレンチレストランの雄「Quintessence(カンテサンス)」。御殿山の麓、閑静な場所にあって、威厳を放つその佇まいからは、その権威が窺い知れる。一度は訪れてみたい名店だ。
こちらは島津山の閑静な住宅街にある一軒家レストラン「ヌキテパ」。こちらの建物はドイツ大使の邸宅だった場所で、緑に囲まれた空間でいただく料理のイメージは南仏の避暑リゾートのオーベルジュ。網元から直送される魚介を中心としたメニューに舌鼓。
中国の国家資格である栄養薬膳師の資格を有するシェフが独立して開業した「ファイヤーホール4000」は、四川料理の名物である火鍋がメインの中華料理店。テイクアウト用の火鍋の自動販売機が店外に設置されていたので、思わずパシャリ。
本格江戸前寿司として2019年にオープンしたのが「SUSHI TOKYO81」。寿司を食べ慣れた人から、初めてのカウンターという人まで、肩肘張らずに気軽に楽しめることが人気の理由に。
そして、ヤザワミートが初めて展開する本格中華料理が「彬龍華66(ハンリュウカ66)」。名物となっている担々麺は、ランチタイムには行列ができるほどの人気メニューに。
ベーカリーにも注目
高級住宅街には、美味しいベーカリーが!
え?こんなところに?と思わず声あげそうになるのが、タワーマンションの狭間にあるのが「MAIZON KAYSER五反田店」。他の店舗に比べて人通りも少ない場所にあることもあって、焼きたてのバゲットに遭遇できる確率は高い。
2023年にオープンした「SAISON bakery & coffee」は、パン生地の仕込みから焼き上げ、販売までを店舗にて行うオールスクラッチ製法にこだわったパンとコーヒーの店で、イートインはいつでも満席状態。
「Bread & Coffee IKEDAYAMA」は、池田山公園の麓と駅前の2店舗で、こちらもオールスクラッチ製法。コーヒーについても自家焙煎ということで、ゆったりとお茶を飲みながら焼きたてパンを楽しむ池田山マダムの姿が多い。
ここでも海外の味が楽しめる
海外の味が堪能できるお店もご紹介!
まずはスリランカの味が楽しめるのは「Alariya Lanka(アラリヤランカ)」。スリランカのお母さんによる食堂というコンセプトのもと、スリランカの家庭料理が楽しめる。
インド・ネパール料理ならばこちらの「maya」。五反田の駅近くで25年以上愛される本場のネパール人シェフが作る料理はどれも本格派。
「DEVILCRAFT」はシカゴピザとクラフトビールの専門店。一見、タルトやキッシュのようにも見える、いわゆるディープディッシュピザはシカゴの名物。これでもか!というほどのチーズに溺れたい。
「トラットリアロマーノ」は、2011年にオープンした本格派イタリアン。席数も約100席、宴会にも対応できて使い勝手の良いレストランとして定評がある。
台湾式の朝ごはんが楽しめるとして人気となった「東京豆漿生活」。レトロな雰囲気の店内でいただけるのは、鹹豆漿(シェントウジャン)や飯糰(ファントァン)といった本格的なものばかり。
東京でも珍しいケニア料理「Masyuko’s Buffalo Cafe(マシューコウズバッファローカフェ)」。ケニアで生まれ育ったマシューコウさんが作る愛情と歴史の詰まったケニア料理は、どれも日本人の口に合うものばかりだ。
五反田で韓国料理といえば、「王豚足家」は外せない。店内には有名人のサイン色紙がびっしりと張り巡らされ、人気の高さがよくわかる。創業約30年が経ち、西五反田に2号店もオープンした。
気になるラーメン店
五反田でもラーメンは欠かせない。
まずは駅からほど近い場所にあるのが「広州市場」。手包のワンタンを目当てにランチタイムには必ず行列ができている。
太麺に背脂が代名詞とも言えるのが「らーめん平太周」。濃厚醤油味のこってりスープには根強いファンが多い。
ラーメン好きの間で知らない人はいないという伝説の店が「中華蕎麦 無冠」。中太麺に絡む魚介のスープに魅了される人が絶えない。
濃厚な海老つけ麺で話題となったのが「つけ麺GAKU」。海老好きにはたまらない、香りと風味があとを引く美味しさだ。
「手打ち製麺Hachimitsu(八光)」は、貝と白出汁がベースになった、さっぱり系のラーメン。タイミングが良ければ目の前で麺を打つところが見られるかも。
「京都北白川 ラーメン魁力屋」は、五反田ヒルズから近く、川沿いに位置することから屋外の席が人気。いっぱい飲んだ帰りに、ここで締める人も多いのではないだろうか。
五反田には、前回お送りした古くからの街と、今回歩いた新しい街の側面があることがお分かりいただけただろうか?ただ、街の特性がうまく反映されていて、新しい中にも古き良きポイントがちゃんと行きていて、街も人も新旧上手に混ざり合い共存しているという印象が強くなった。
それにしても、どんどんと新しいマンション、建物が開発され、それに追随するように新しい飲食店も生まれているので、今後も目が離せない楽しい街であることには間違いない。
さて、次回はどこの街へ行こうかな?お楽しみに。
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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