開業レポ

飲食店開業者インタビュー VOL.29 「キューバサンド&デリ AHINAMA(アイナマ)」 ロベルト ミロ ルアセスさん/コロナのピンチをチャンスに変えて!

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上野駅から徒歩2分、閑静な裏路地にオープンした、キューバサンド専門店。

グランドオープンは、2020年6月15日。カウンター4席というコンパクトな空間は、テイクアウトがメイン。オープン4カ月にもかかわらず、すでにご近所づきあいがとても良好な様子。

 

実は、こちらのオーナー、ロベルト ミロ ルアセスさんは、2012年より赤坂で「モヒート テラスラウンジ アイナマ」を経営されています。このタイミングでの「キューバサンド&デリ AHINAMA(アイナマ)」のオープンの経緯とともに、キューバサンドのあれこれについても、ロベルトさん、奥様の高橋香有さんにたっぷりとお伺いいたしました。

 

―とても元気のでるカラーのお店ですね。キューバサンド専門店をオープンされるにあたり、かなり前から計画をされていたのでしょうか。

(ロベルトさん)2012年から赤坂で経営しているキューバ料理店でも、キューバサンドは人気だったので、いつかは専門店をという想いはありました。しかし、今回のコロナの影響によって、計画が早まったというのが事実です。実際、赤坂のお店は6Fにあります。そのため、テイクアウト商品を販売してもなかなか6Fまでお客様に上がってきていただくことが難しく・・・・。きっとこの状況はすぐには改善されないなというのがわかっていたので、それであれば、違う場所でキューバサンド専門店をオープンしようとなったのです。

 

―2020年6月15日にオープンとのことですが、では本当にコロナによっての行動という感じなんですね。
(ロベルトさん)はい、この物件を内見したのは、緊急事態宣言中でした。ビクビクしながら電車に乗ったのを思い出しますね。今回物件を探すにあたっての条件のNO.1は、住宅街であるということ。実際に歩いてみてみると、予想以上によい立地でした。住宅街であるとともに、オフィスも数多く点在していて、空気感は下町。ここから浅草方面にお散歩で歩いているかたも多くいらっしゃいますし。見た瞬間に即決でした。サイズ感もベストだったので。

 

―もともとは、こちらの物件、何の営業をされていたのでしょうか。
(ロベルトさん)飲食店ではありません。物販のお店だったようですね。そのため、スケルトン状態からお店の作り込みをしました。契約をしてから内装には約1カ月かかっています。

―上野という街とのご縁は、今までにはあったのでしょうか。
(ロベルトさん)上野という街は広いですよね。アメ横のイメージも強いですし。しかし、このお店のエリアは、人と人とのつながりが強い下町という感じで、とても心地いいです。
ご縁という意味では、上野というよりは、浅草にあります。実は、私はサルサダンサーとして来日し、浅草でサルサのダンス教室を開催していたんです。そのため、上野に直接住んではいないものの、下町が大好きなんです。キューバにも似ていますね。

 

―え?キューバに似ているんですか?
(ロベルトさん)はい、私もびっくりしたのですが、工事をしている最中に、みんなが覗きに来るんです。「何が出来るんですか?」「いつオープンなんですか?」と遠慮なく聞きに来るんです。お年を召した方々から、ファミリー、若者に、子供まで。
日本人は知らない人とのコミュニケーションには消極的というイメージがあったので、驚きました。そして、このフランクに挨拶をしたり会話したりというスタイルは、キューバにとてもよく似ていると思います。今では、毎日学校帰りに顔をだして1日のことを話す、小学生もいるくらい(笑)

 

―実際にオープンをして4カ月、お客様にも恵まれている感じですね。
(高橋さん) そうなんです。オープン初日になんと列ができました。本当に近隣の方々によくしていただいていますし、遠方からわざわざという方も。意外にもキューバサンド専門店というカテゴリーが初めてだったとうことも注目されたみたいです。そして、なんとご来店いただく方の情報源が「Twitter」なんです。

 

―それって、キューバサンドが一躍有名になった映画の「シェフ 三ツ星フードトラックはじめました」の拡散方法と同じですか?(*映画の中では、フードトラックが出現する場所をTwitterでつぶやくことで、行列を生み出した)
(高橋さん)まさに(笑)あの映画で日本の皆さんにもキューバサンドが一気に認知されましたよね。映画公開当時は、配給会社とコラボレーションもさせていただき、フードトラックで代々木公園のフェスなどにも出店させていただいたほどです。まだまだキューバサンドファンが多くいらっしゃることに感謝です。

―なかなか日本の中でキューバの食文化を知る機会は少ないですよね。
(ロベルトさん)キューバレストランは本当に少ないですから。本来キューバの主食は米なんですね。そして、キューバサンドと名称のものは、実際にはキューバにはないんです。キューバでは、普通のサンドイッチです(笑)キューバサンドの定義は、アメリカで作られたものだと思います。キューバから移った人たちが作っていた、バターで焼きながら作るサンドウィッチが美味しいという噂からと言われています。映画の中のキューバサンドは、アメリカが舞台なのでピクルスが入っていると思いますが、キューバにおいては、暑いので野菜をサンドにいれることは滅多にしません。そのため、当店のキューバサンドは、野菜が入っていないんです。

 

―なるほど。しっかりと本場の味を踏襲されているんですね。
(ロベルトさん)はい、自分自身ダンスをしながらもいつかは飲食店も経営したいという夢はありましたので、調理に関してはキューバ人シェフにも相談をしつつ、現地の味を習得したのです。今回のお店のメニューはすべて無添加、メニュー開発は妻と二人で行っています。

 

―店名に付けられた「AHINAMA(アイナマ)」に込められた思いを教えてください。
(ロベルトさん)キューバの言葉で“究極に到達”とか、“最高”という意味を表します。
キューバでは歌の合間に、“AHINAMA”などと掛け声をかけるほど、ナチュラルに使われる言葉です。そんな“最高”の空間を演出していこうと思い、赤坂も上野にも付けました。

―今後独立しようと思っていらっしゃる方に向けて一言いただけますか?
(ロベルトさん)とにかく人です。人を大切にしてください。私は、お店の中から常に手を振ったり、笑顔を向けたりしています。そんな甲斐があって、お客様が「いつも手を振ってくれるから」なんて言いながら訪れてくれることも。コンビニのレジの定員さんにも、「あっ、あそこのお店のオーナーね」と認知されているんです(笑)顔を売るって、大事ですよ!

 

<おすすめ料理>

<キューバサンド>エル・クバーノ
(プルドポーク、ハム、チーズ。マヨ、マスタード)¥800(税込)
<アルコール> 本場キューバ・モヒート ¥700(税込)

<キューバ丼> メガ ¥850(税込)
(黒インゲン豆のシチュー「フリーホーレス」+ご飯+メイン全部4種のせ)
*プルドポーク+プルドビーフ+プルドチキン+エビ=全部のせ
<サイドメニュー>チチャロン(豚せん、塩味or チリ味)
BOX¥700(税込)スモール¥400(税込)
<コーヒー>オーガニックキューバコーヒー(HOT/ICE)¥200(税込)

 

店舗情報

  • 店名キューバサンド&デリ AHINAMA(アイナマ)
  • 業態キューバサンド専門店
  • 住所東京都台東区東上野3-23-5 新井ビル1F
  • 交通東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅から徒歩2分
  • TEL03-6284-4547
  • HPhttps://www.ahinama.tokyo/
  • 営業時間 火~金:11:30~17:00 土: 12:00~18:00 日:12:00~17:00
    定休日:月曜日+不定休
  • オープン日 2020年6月15日

AHINAMA 外観

店主経歴

サルサダンサーとして輝かしい経歴を持ち来日し、今年で在日19年。来日後は、浅草、六本木を始め、北海道~沖縄までと全国各地でダンス教室の講師やパフォーマーとして活躍。2012年に赤坂に「モヒート テラスラウンジAHINAMA(アイナマ)」を開業、2020年6月15日に「キューバサンド&デリ AHINAMA(アイナマ)」オープン。

 

 

取材・文 青山友美 食専門のPR企画&編集・ライターとして活動中

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