飲食店を開くために必要なこととは?開業に必要なことや準備するものを解説
飲食店を開業しようと考えても、何をどうすればよいか分からないという方もいるのではないでしょうか。飲食店を開業するためには、実に多くの手順を踏まなければならず、よく考えて計画を練らなくてはお店を開く予定時期に間に合わないということもあり得ます。
開業までの手順
飲食店を開業するまでには多くのステップを踏まなければなりません。
コンセプトの決定
飲食店の開業にあたり、最初に行うべきことはコンセプトの決定です。コンセプトとは「どんな店舗にするか」という骨格のようなものです。以下の事柄をイメージし、コンセプトをまとめると良いでしょう。
▷どこで(出店エリアは?オフィス街?商店街?物件のイメージなど)
▷誰に(どういうお客様に来てもらいたいか?男女、年齢、サラリーマンなど)
▷何を(どんなメニューを提供するのか?他店との差別化は?品数など)
▷どうやって提供するのか(提供オペレーションや盛り付けは?単価帯やそれに見合った環境など)
事業計画書を作成する
事業計画書とは、これから展開していく事業がどのようなものであるかをまとめた書類です。事業計画書を作成する目的は以下のとおりです。この書類ができていないと、開業に必要な融資を受けたり、他人に事業の説明をしたりすることができません。
▷融資を受けるため
▷事業成功までの流れを明確にするため
▷事業内容を説明するため
出店立地を決めて、物件を探す
続いて、お店を開く立地の選定と物件探しも必要です。立地の選定後も物件探しには時間を要する場合がほとんどです。
立地調査のときはまずは、その地域の世帯数やライバル店舗数を調査したうえで、集客人数を想定して行い、物件探しの際は間取りだけではなく、「予想売り上げに対する家賃比率」も考えてください。
飲食店が廃業する原因のひとつは、「売り上げに対して家賃比率が高い」ことです。想定される売り上げの10%以内に家賃比率を抑えるようにしましょう。
必要な資格を得る
飲食店を開く際は、以下の資格を持った人を置く必要があります。
▷食品衛生責任者
食品衛生の管理運営をする者であり、店舗内に1人は必要。食品衛生責任者の資格を得るためには、都道府県で開催している講習会を受講する必要がありますが、調理師や衛生士の免許を持っている場合は受講不要。必ず保健所に食品衛生責任者の届け出が必要です。
▷防火管理者
防火管理を担当する者であり、収容人員30人以上の店舗には欠かせません。防火管理者の資格を得るためには、各地の消防署が開いている講習会を受講する必要がありますが、店舗の延床面積が300平方メートル以上の場合は甲種、述べ面積300平方メートル未満の店舗では乙種講習を受けます。
▷資金調達
自己資金ですべて賄えない場合は、融資や補助金、助成金などを受ける方法がありますが、最近ではクラウドファンディングで資金の一部を調達する飲食店もあります。
▷税務手続き
税務手続きは個人事業主の場合には開業届等、法人の場合は法人設立届等が必要です。
▷仕入先と提供商品の決定
提供する料理を決め、材料の仕入先を決定します。
▷採用と集客の準備
開業時に従業員を募集するために、まず労働条件を決めます。求人広告や店頭での貼り紙で募集を行います。また、開業後の集客のために、店舗を知ってもらうための販促物(チラシ等)を配布することや、SNSでの告知も有効な方法でしょう。
▷運営方針の準備
接客マニュアル、業務に必要な書類やルールの作成をします。
飲食店開業に必要な申請
次に、飲食店を開業するに当たり、必要な申請について見ていきましょう。
▷飲食店営業許可申請
食品調理や飲食提供には不可欠な申請。店舗設備について細かい決まりが設けられており、申請には店舗の見取り図や食品衛生責任者手帳などが必要です。事前に所轄の保健所に図面相談を行い、店舗工事完了の10日から2週間前を目安に、申請します。
▷深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜0時以降に酒類を提供する場合は申請が必要。届出先は警察署であり、申請には店舗周辺の略図、営業許可証などが必要です。
▷開業届
個人事業主の場合は税務署に開業の旨を届け出ます。事前に準備するものはありませんが、最大で65万円の控除が受けられる青色申告にする場合は、「青色申告承認申請書」が必要です。開業届は事業開始から1ヶ月以内に提出する必要があり、青色申告は2ヶ月以内に申請する必要があります。
余裕を持たせたスケジュールがポイント
飲食店開業まで、非常に多くのステップを踏む必要があります。一般的な準備期間として約6~12ヶ月かかると考えておくとよいでしょう。
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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