開業レポ

注目新店舗インタビューvol.10「BAS Kitchen」スパイシーなアジア料理のおつまみを楽しむ酒場

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2020年12月中旬、伊勢佐木町にオープンした「BAS Kitchen」は、インドやネパール、タイなどのおつまみを楽しめるアジアン酒場。スパイスをふんだんに使った料理の数々は、お酒と相性も抜群です。どのようにして店づくりを行ったのか、開業までの経緯やお店の魅力をオーナーのバスネット G. クマールさんに伺いました。(取材日:2021年1月25日)
 
―バスネットさんはネパールのご出身とのことですが、いつ頃から日本で生活をされているんですか?
かれこれ30年ほど住んでいます。もともとは、日本の最先端技術を学びたくて留学してきたんです。日本語学校で日本語を習得した後、大学と大学院で工学を学んで工学博士を取得し、電機メーカーに就職しました。
 
バスネット-G.-クマールさん
 
―飲食業とは全く異なる仕事をされていたんですね。なぜ、飲食店を経営することになったのでしょうか。
実は企業に勤めていた時から、サイドビジネスとして飲食店を経営していて。最初は湘南台で店を開いて、スタッフに営業を任せながら経営をしていました。それが軌道に乗ってきたので、企業を退職して飲食店の経営に専念することにしたんです。その後湘南台の店舗はスタッフに譲り、現在は東戸塚に一店舗、そしてこの「BAS Kitchen」の二店舗を運営しています。
 
―いろいろなエリアで運営されていますが、三店舗目に関内という場所を選んだ理由はありますか?
関内は横浜の中心地ですし、外国の方も多く住んでいて面白い街ですよね。ここなら新しいビジネスチャンスがあるかなと思い、やってみることにしました。2020年の10月中旬くらいから探し始めて、下旬にこの物件を内見、11月に契約をしたという流れです。
 
スタッフの皆さん
 
―そして12月に「BAS Kitchen」をオープンされたんですね。改めて、お店のコンセプトやメニューについても教えてください。
コンセプトは「アジアン酒場」。日本でインド料理やネパール料理を出している店は、カレーのような食事をメインとしているところが多いですよね。でも、スパイスの効いた料理はお酒との相性もとてもいいです。もっとアジアの料理をお酒と一緒に楽しんでほしいと思い、競合店とは違ったコンセプトでつくることにしました。私が個人的にお酒が好きだということもあります。
 
じゃがいもをスパイスで炒めた「アルーアチャリー」【じゃがいもをスパイスで炒めた「アルーアチャリー」】
 
―なるほど、確かにメニューも小皿で気軽につまめるものが多いように見受けられます。
お酒を飲みながら楽しんでもらうことを意識しているので、おつまみっぽいメニューを多めにしていますね。東戸塚の店舗と同じものもあれば、唐揚げやサデーコ(和え物)など、ここで新たに開発したメニューもあります。特にサデーコは、ネパールでもお酒のつまみとして人気なんです。
 
もちろんおつまみだけでなく、少ないですが食事メニューとしてカレーなども用意しています。カレーやタンドール料理はインド出身のシェフにお願いして、本場の料理をつくってもらっているんですよ。
 
軽いおつまみとしてぴったりな「エスニックチップス」【軽いおつまみとしてぴったりな「エスニックチップス」】
 
―どれも美味しそうなものばかりです! 値段も手頃で、気軽に楽しめる感じがしますね。
数人で気軽に料理やお酒を楽しんでもらいたいと思っています。広さもだいたい30席くらいのこぢんまりとした空間で、日本の居酒屋みたいな雰囲気を意識しているんです。店内は居抜きでもともとラーメン屋だったんですけど、全体的に雰囲気をガラッと変えました。厨房はタンドールなどのアジア料理ならではの設備を入れるのでほとんどつくりかえて、内装はデザイナーさんに要望を伝えつつ相談し、ナチュラルで清潔感のあるつくりにしてもらっています。
 
木を基調につくられている店内【木を基調につくられている店内】
 
―素敵なコンセプトですが、コロナ禍で大変な中での開業になってしまったかと思います。不安はありませんでしたか?
10月は「Go To Eat」や「Go To Travel」が盛んな時期でしたし、コロナはそのうち収まるだろうと考えて出店しました。今はまた第三波が来てしまい大変ではありますが、ずっとコロナ禍というわけではないはず。いつかワクチンが開発されれば収まると思うので、そのときを待つしかないですね。
 
それに、この店ではデリバリーを積極的にやりたいと思っていたんです。コロナ禍で日本のデリバリー市場は大きくなりましたが、海外に比べるとまだまだ発展途中。これからもっともっと広がっていくと思います。だからこそ、客席はコンパクトにして厨房設備に力を入れ、デリバリーを見越したレイアウトにしました。このやり方は今のコロナ禍はもちろん、コロナ後も通用していくと考えています。
 
人気メニュー「チキンティッカ」【人気メニュー「チキンティッカ」】
 
―未来を見据えた店づくり、素晴らしいです。今後は事業をどんなふうに広げていきたいですか?
今は来店されるお客様が少ないですから、デリバリーを積極的にやっていきたいですね。まずはいくつかのデリバリーサービスに店舗を登録して、手頃な価格で提供し、店やメニューの認知度を高めることに力を入れています。
 
ただ、いずれは自分たち自身でデリバリーサービスをやりたいと思っています。ここを成功させて、次のお店に広げていきたい。そしてゆくゆくは、もっと横浜近辺で「BAS Kitchen」のような業態の店を増やしていきたいですね。
 
―今後の展開もとても楽しみです。貴重なお話をありがとうございました!
 

お店ができるまで

  • 2020年10月中旬物件リサーチをスタート
  • 2020年11月契約
  • 2020年12月中旬開業

 

おすすめメニュー

ランチ
1種カレーのプレート 790円
2種カレーのプレート 950円
ディナー
チキン ティッカ (2pcs) 300円
アルーアチャリー 350円
バットマス サデーコ  290円
ジラ 唐揚げ 290円
モモ(蒸し餃子) 550円
 

店舗概要

  • 店名BAS Kitchen
    (バス・キッチン)
  • 住所神奈川県横浜市中区伊勢佐木町2-60 オリエンタル共同ビル1F
  • TEL045-251-0070
  • 営業時間12:00~26:00(現在営業時間短縮中 12:00~20:00)

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取材・文 竹野愛理 幅広い分野でフリーランスライターとして活動中

 

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