開業レポ

飲食店開業成功者インタビュー VOL.3 「やきとん豪 阿佐ヶ谷店」 田倉豪運さん 安い居酒屋でも心地よい接客が大切

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2021年4月15日に阿佐ヶ谷駅のメイン通りから少しはいった路地にオープンした「やきとん豪」。専門店というこだわりを武器にあっという間に、地元のお客様に愛され始めた様子。こちらのお店は、JR中央線の中野駅、西荻窪駅についで3店舗目の出店です。今回のコロナ禍での他店舗の状況も踏まえ、阿佐ヶ谷店のオープンについて、オーナーの田倉豪運さんにお話しを伺いました。
 
―現在(取材は5月末)飲食店への制限がかかっていますが、日々大変の中の阿佐ヶ谷店の開業ですね。
(田倉さん)そうなんです。中野店は休業していて、西荻窪店は営業しています。今回、このような状況の中でもオープンを決めたのは、任せられるスタッフ(阿佐ヶ谷店店長、山田涼輔さん)に出会ったからです。私は、独立した時からなかなかよいスタッフに恵まれてこなかった過去があります。そのため、よい出会いは、いつもあるとは限らないと心に刻まれているので、出会いがあったときには、積極的にチャンスを与えていきたいと思っているのです。
 
―山田さんとの出会いが新規出店の決め手だったんですね。
(田倉さん)はい、そうです。昨年の夏くらいから中央線沿いで物件を探し始めました。一番こだわったのは、大きさです。何件かチェックした上で、クリスマスに契約をいたしました。2-3名で回せる大きさで、動きやすい真四角という点が決め手です。結果、居抜き物件(前はスナック)で契約をしましたが、結局一度スケルトン状態にしてから作り上げることになりました。
 
やきとん豪 店内
 
―阿佐ヶ谷の店づくりはどのようなスタイルを意識されましたか?
(田倉さん)そうですね、ここのお店は女性のお客様が来店しやすい空間を意識しました。もつやきというと、なんだか店がきたなくて接客が雑なイメージが思い浮かぶことが多いと思うんですね。私は、それがとても嫌で。安いもつやきで、居心地がよくて接客がよく、おいしかったらリピートに繋がるじゃないですか。安ければ、接客がわるくても許されるという感覚はもう古くなっていくと思います。山田店長は、ドリンクの声掛けなんかも絶妙なんです。ま、イケメンなのも好印象ですけど(笑)
 
―お肉の仕入れについて教えていただけますでしょうか。
(田倉さん)お肉は、芝浦の市場から主に仕入れています。土曜日は別のところからいれたりもしていますが、部位によって卸業者の中にも得意・不得意があるということも理解しているので、信頼できる方々にオーダーをさせていただいています。10年くらい前には、芝浦でも部位ごとに切り分けられている状態で視察ができたのですが、今はそれが叶わなくなっていることが少し寂しいですね。
 
やきとん豪 田倉豪運さん
 
―いつから田倉さんは独立を意識した飲食人人生だったのでしょうか。
(田倉さん)スタートは和食の職人でした。20歳ごろですね。その後、27歳ごろからもつやき店で修業を積み、32歳で独立を果たしました。独立したいなと思った際に抱いた思いは、飲食店が身近な利益を追求するのではなく、もっと人々が幸せになる場所であってほしいということなんです。私はそもそもお酒が大好きで、お酒を飲みながらみんなとワイワイ話をしたり、出会いがあったりという場所はとても素敵だなと感じてまして。そんな場所を自分が運営することができたら理想の飲食店を作ることができると思ったんです。
 
―お店を運営するうえで、気にかけていることはありますか?
(田倉さん)今回のお店は、まさに住宅街の中にあります。そのため、騒音をださないように気を付けています。周囲の方々に、悪いイメージを持たれてしまったら気持ち良い営業をすることはできないと思うので。前のお店は31年も続いていたスナックでしたので、一度愛されれば長く続くことが可能だと信じています。
 
―阿佐ヶ谷店をオープンしてみての反響はいかがでしょうか。
(田倉さん)まだまだオープンして間もないので、他店舗の常連のお客様がご祝儀で来店していただくなど、実力がわかるところまではきていません。実際に、実力がわかるのは8月ごろだと思います。スタッフにはとにかく今来店いただけるお客様を大事にすることは常々伝えています。
 
―目指すお店の理想はあるのでしょうか?
(田倉さん)もちろんあります。「ここでいっか」といわれるお店になりたいんです。「ここでいっか」ということは、平均点以上は絶対に取っていて、後悔しないことを確約している場合に使うと思うんです。それには、ノーゲスでは選ばれないと思うんですね。常にお客様がお店にいることが、ほかのお客様を呼び込むことになると思うので、我々の努力にかかっています。
 
やきとん豪 調理風景
 
―それは素敵な考え方ですね。店長の山田さんから見て、オーナーの田倉さんはどんな方ですか?
(山田さん)いや、ほんとうに夢を見させてくれる方だと実感しています。こんなご時世ですし、いろいろと心配なことは多いと思うのですが、かなり任せてくれていて。任せてもらえると期待に応えたくなるじゃないですか。本当に、出会いに感謝です。
 
―最後に、これからのビジョンがあれば教えてください。
(田倉さん)今はお持ち帰りも強化したり、こんな時代だからこそのニーズにも対応しています。店舗数は3店舗になりましたが、手を抜くことなくお客様に「おいしかった」「楽しかった」を一人にでも多く言っていただけるような店づくりを目指します。

これから独立する方へ アドバイス 3箇条

  • 其の1. とりあえずやってみたほうがよい!
  • 其の2. 苦しみも多いけど、お客様からの感謝の声など楽しみも多い
  • 其の3. 押しつけがましくなくメニューを選んでもらおう

 

お店ができるまで

  • 2012年「やきとん豪 中野店」にて独立
  • 2015年西荻窪店をオープン
  • 2020年夏人が多い場所を限定して物件探し
  • 2020年12月契約
  • 2021年4月15日開業

 

<おすすめ料理>

おまかせ串5本盛

旨!!モツ煮込み

ボイルれば刺

 

店舗情報

  • 店名やきとん豪
  • 業態やきとん専門店
  • 住所東京都杉並区阿佐ヶ谷南2-18-1 サンフラワー1階
  • 交通JR「阿佐ヶ谷駅」より徒歩2分
  • TEL03-5913-7703
  • 営業時間16:00~24:00 *営業時間についてはご確認をお願いします 定休日:月曜
  • オープン日2021年4月15日

やきとん豪 外観

 

店主経歴

20歳で和食職人として飲食人生をスタート。27歳から、もつやき専門店にて経緯を積み、2012年32歳にて、自身の名前から命名した「やきとん豪」を中野に独立開業。その後、2015年に西荻窪店をオープン。2021年4月15日阿佐ヶ谷店をオープン。

 

取材・文 青山友美  食専門のPR企画&編集・ライターとして活動中

 

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