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中野で飲食店を開業「サブカルチャーと酒飲みが共存できるのが魅力!」中野駅編Part1

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調査日2025年4月19日
出店するならこの街だ!注目エリアをレスタ編集部が歩いて紹介 vol.23

 
新宿からも近く、ライブハウスやコンサートホールなどが多い印象の中野。近年では再開発が進み、ランドマークであった中野サンプラザ(※)も惜しまれつつ閉館したことは記憶に新しいところ。(※再開発は一旦ストップ)
 
中野ブロードウェイという、マニアの間で聖地とも呼ばれるスポットはアニメやゲームといったサブカルチャーを後押しし、日本人だけでなく海外からの観光客も増加。まさにさまざまな文化が行き交う街である中野は、実は酒飲みにはたまらない、なかなか侮れない街なのだ。まずは「中野と言えば!」を象徴するような北側エリアを中心に散策を開始する。
 

中野・基礎情報

 
乗り入れている路線▼
JR中央線、総武線、東京メトロ東西線
 
近辺の主な主要都市▼
新宿駅(JR中央線にて5分)
 
商業施設・チェーン店情報▼
・商業施設…中野マルイ、中野セントラルパーク、中野ブロードウェイ、ナカノサウステラ
・飲食店チェーン店…マクドナルド、フレッシュネスバーガー、モスバーガー、ロッテリア(ゼッテリア)、スターバックスコーヒー、カフェベローチェ、コメダ珈琲店、エクセルシオールカフェ、ドトールコーヒー、喫茶室ルノアール、ロイヤルホスト、ガスト、 等
 
イベント▼
中野駅前大盆踊り大会、中野にぎわいフェスタ、中野区花と緑の祭典 など
 

中野駅から続く商店街を抜けると…

中野駅の歴史はかなり古く、開業は1889年4月。新宿~立川間の列車の開通とともに誕生した。現在の位置に移転したのは1929年である。
 

 
その後、1966年に東西線中野駅が開業となり、今ではJR中野駅の1日の乗降客数は12万人を超えるとも言われ、北口、南口共に多くの人が行き交う駅になっている。
 

 
北口の駅前には「中野サンモール商店街」という224mで、約110店舗がドーンと連なるアーケードがあり、常に買い物客で賑わっている。
 

 
商店街入口には、「おやき処れふ亭」。こちらは1984年に創業し、地元で愛される今川焼きのお店で夕方には行列が出来ることもしばしば。
1956年創業の「梅家」は、買い物に疲れたらちょっと立ち寄りたい甘味処。夏場のかき氷は大人気。
 

 
商店街には多くの地元民に愛されるパン屋「ボンジュール・ボン」。こちらのメイプルメロンパンはパン・オブ・ザ・イヤーを受賞したこともあるのだとか。
備長炭を使った炭火焙煎コーヒーがいただける「くれない茶房」は商店街の喧騒を忘れる、落ち着いた昭和レトロな雰囲気。
 

 
中野サンモール商店街を抜ければ、そこには中野のランドマークとも言える「中野ブロードウェイ(*正式名称は中野ブロードウェイセンター)」が登場。1966年に開業した、「中野ブロードウェイ」は商業住宅複合ビルの先駆け的なビル。この中にわずか2坪で開業した漫画専門古書店がきっかけとなり、今ではサブカルチャーの聖地として日本のみならず海外からの観光客も多い場所。漫画やゲーム、おもちゃの中古販売店や、時計・宝飾などを扱う店舗、切手やコインを扱う店舗など、200店舗以上が軒を連ねている。
 

 
そんな中にも話題の飲食店が。まず2階には1971年創業の「さかしこ珈琲店」。自家焙煎のコーヒーは、地元の方にファンが多い。
同じフロアには芸術家の村上隆率いるアートカンパニーがプロデュースする「純喫茶ジンガロ」。4階にあるギャラリーを観てからやってくる村上隆ファンも。
 

 
地下一階のフロアでは、海外の輸入食品なども多数販売。また、外国人観光客向けの古着の着物を吊るしで販売している店も増えている。
 

 
中野ブロードウェイに行く際は、飲食店の閉店時間にはご注意を。スパイスカレーが食べたいと思い向かった、お気に入りの「レインボウスパイス カフェチャイストール」は、17時半にLO、18時にCLOSEでした。残念ながら、次回のお楽しみ。こちらでは食後のチャイを忘れずに。
「手作り点心 また明日。」は、その名の通り手作り点心のお店で、売り切れ次第終了ということで、この日は当然閉まっていた。こちらでは肉汁あふれる肉まんをお試しいただきたい。
 

 
「うどんや大門」は細いのにコシのしっかりとある手打ちうどんが人気。昼のみの営業とのことなので、こちらもご注意を。行列ができているのはクレープ専門店の「チャレンジャー」。クレープ全品360円という価格ながらもトッピングが充実で、小中学生の姿も。
 

 
そして忘れてはいけないのがソフトクリーム専門店の「デイリーチコ」。中野ブロードウェイ創業の1966年に開業したということで、老舗中の老舗とも言える。こちらのソフトクリームは8種類の味の中から、何段重ねにするかによって値段が変わるシステム。特大と呼ばれる8種類乗せをオーダーする猛者を横目に、3種類を選択。この日は4月とは思えないほどの暑い日だったこともあり、格別の美味しさ。
 

ここは酒飲みにとって楽園!

 
サンモール商店街や中野ブロードウェイの周辺の中野駅北口エリアは、飲食店が数多くひしめき合っている。夜の帷が降りる頃、お目当ての店に向かう人、色々のぞきながら歩く人、数店舗はしごしたい人など、自分のスタイルでお酒を嗜む人がどんどんと増えてくる。
 

 
まず中野で忘れてはいけない老舗居酒屋は「第二力酒蔵」だろう。こちらは14時開店という酒飲みにとっての天国とも言える居酒屋で1962年創業。酒場を放浪することで有名なあの方にも愛されるこちらのお店でいただけるツマミの数々は、酒の肴としては最高のメニュー。早い時間から始めるなら、こちらがスタート地点でも良いだろう。
 

 
1970年に創業したのは「陸蒸気(おかじょうき)」。オーナーは漁師の家の生まれということで、炭火焼きの魚料理が堪能できる。
1961年創業というのが「路傍(ろぼう)」。カウンターでいただけるお料理で人気なのは季節の新鮮な食材の囲炉裏焼き。塩を舐めながら千福の樽酒が堪能できるということもあり、酒飲みからの信頼も高い。
 

 
続いて、ワインと合わせるスタイルのお店をご紹介。第二力酒蔵の並びにあるのが、煮込み料理が人気の「煮込み屋ぐっつ」。モツ煮や牛たんの煮込みなど各種煮込み料理が得意で、ワインにぴったり。
「大塩」でワイン片手にいただけるのは、天ぷら。こちらでは旬の食材を使った揚げたての天ぷらでワインがどんどん進んでしまう。どちらも週末は予約必須店だ。
 

中野は魚がウリのお店がたくさん!

 
ここ数年、中野エリアで話題になっているのが「マグロマート」だ。カジュアルに美味しいまぐろが堪能できることで、予約なしでは入店するのが厳しくなっているお店の筆頭。
「中野製作所 まんてん別館」は、炭火焼きホルモンまんてんの別館として2023年にオープン。目の前の炉端で焼かれる新鮮魚介の数々が食欲をそそる。
 

 
九州から直送される鯖がメインの「さば銀」。東京ではなかなかお目にかかることのできない新鮮な鯖料理が堪能できることからファンは多い。
焼きとりや焼きとんでおなじみの四文屋の魚部門を率いるのが「魚の四文屋」。本日の刺身のラインナップが豊富でついつい色々とオーダーしてしまうのがミソ。
 

 
築50年の物件を活かした浜焼き酒場の「ウロコ」は、昭和感満載のにぎやかさと新鮮な魚介をテーブルで焼くことができる楽しさを併せ持った人気の居酒屋。
中野青二才の系列店「角打ち割烹 三才」は、外から見える角打ち席とカウンター席の他に、奥には別空間の割烹が。魚介を中心とした旬な肴と日本酒が楽しめる名店だ。
 

 
そして実は、中野にはうなぎの名店も多く、地元の方はみなさんそれぞれお気に入りのお店があるのだとか。
まずは「川二郎」からご紹介。こちらは1968年に創業で、大人気の食対決漫画にも取り上げられたことのある名店。うなぎのめずらしい部位を串でいただけるのが特徴。
 

 
「いろは亭」は愛知県から取り寄せている、うなぎやふぐ、すっぽんも楽しめるお店。うなぎ串や、ふっくら焼かれたうなぎが堪能できるうな重まで、色んなうなぎ料理を堪能できる。「味治」は、創業は2008年だが、実は前述の「川二郎」の2代目店主がオープンしたお店。店の構えは、中野で一番入りやすいうなぎ店ではないだろうか。
 

 
魚といえば、寿司で一杯やれるお店も中野には増えているのも特徴。「スシバルパパ」は、寿司やお刺身盛り合わせをバルスタイルで提供するスタイルが人気。「にぎにぎ中野本館」は1貫100円からという、お財布に優しい価格で寿司とお酒が楽しめる立ち飲みスタイル。
 

 
こちらの、門構えが高級店の雰囲気満載の「鮨せいざん」は、なんと前述の四文屋グループの系列店。ランチはリーズナブルにいただけるのが嬉しいところ。
「英鮨」は、1貫75円からという破格の値段で提供してくれる、街寿司としてはかなり嬉しい人気店。深夜まで営業しているので〆につまむのも良さそうだ。
 

肉だって選べないほどお店がある!

 
魚だけではなく、当然肉料理も得意なのは中野の良いところ。筆者が2011年のオープン当初から通っているのが「Tsui-teru!」。こちらは、今でこそスタンダードになった熟成肉の先駆けとも言えるお店。入り口脇の熟成庫を見ると、なぜかテンションが上がってしまうのは私だけではないはず。
林SPFポークを使用した豚料理を提供するのが「とんかつのり」。とんかつはもちろん、夜はしゃぶしゃぶも提供されている。
 

 
昨年オープンしたばかりの「こうちゃん」は、ホルモン焼肉のお店。めずらしい部位のホルモンが揃っていて注目を集めている。「縁」は、こちらも同じくホルモン焼肉店。多店舗展開の強みを活かし、新鮮なホルモンをリーズナブルに提供しているのが特徴。
 

 
「炭火焼きホルモンまんてん」は深夜まで営業しているので、遅い時間から混み合うことも。
「ホルモン人生タロちゃん」では、ホルモンと焼肉に人生をかけたオーナーが選び抜いた但馬牛が提供されている。
 

 
「牛の四文屋」は焼きとりや焼きとんではお馴染みの居酒屋。一人でもグループでも、誰と言っても楽しめること間違いなし。「ばかたれずっちゃん」は、毎日芝浦へ買い付けに行くという新鮮なもつ焼きがウリ。喧騒を離れた路地裏で、一人でもお酒が楽しめる。
 

何軒も回りたいなら立ち飲みがおすすめ

 
中野の醍醐味と言えば、やっぱりはしご酒。ちょっとつまんで、ちょっと飲んで次に・・・という色んなお店を楽しめるのが、そう、立ち飲み。まずご紹介するのが「パニパニ」。2006年にオープンした店内は、スタイリッシュで女性客も入りやすい雰囲気。まずはこういうお店からスタートして飲み始めるのが良さそうだ。「酒パチパチ」は、最近の中野にあって一番勢いがあると言っても過言ではない立ち飲み店。2階には「鮨パチパチ」もオープン。
 

 
そんな中で筆者が選んだ立ち飲み店は「小出屋天太」。こちらの主役は天ぷらで、壁に貼られたメニューの多さに驚く。この日は緑茶割りと共に野菜や魚の天ぷらを中心にメニューを組み立てて、ポテトサラダなんかもつまみに一品。店主と並びで飲んでいたご夫婦との会話にも混ぜていただいたりして、中野の夜は更けていくのだった。
 

まだまだおすすめ、注目店!

 
飲み屋さんばかりではないということも、お伝えしなければ重要な要素。「関飯店」は創作中華のお店で、実はこちらのシェフは有名ホテルの中華料理店ご出身。予約で満席の日が多く、その人気ぶりがうかがえる。2024年にオープンしたばかりに「ぶ器用中華シェイシェイ」は、同じく中野にある大衆酒場NONDAKUREジョージの姉妹店。中華鍋をカンカンと振る音すらも店内のBGMとして楽しんでもらえるようにと厨房の位置にまでこだわったつくりになっているのだとか。
 

 
にんにくを堪能したいなら「にんにくバル ザ・ガーリック」へ。においの残りにくいにんにくを使用しているとのことで、色々食べても翌日は安心。また、ドリンクにもガーリックレモンサワーなど、にんにくドリンクがあるので、ぜひ一度お試しいただきたい。2022年にオープンしたピザとイタリアンが中心の「トトト」は、なんと前述のマグロマートの姉妹店。赤提灯の多い中野にあって、目を惹くオシャレな外観とオープンキッチンで提供される絶品のピザが人気で早くも予約マストのお店になっている。
 

 
創作料理を提供するのが「天」。バーテンダーとシェフの二人で始めたお店で、その温かい空気感から地元の人に愛されているお店。バー使いもできるのが嬉しい。「NAKANOブリック」は昔ながらの洋食が楽しめる喫茶店であり、バーであり。1階で一杯やるもよし、カフェ使いで2階に行くもよし。経営者は変わったが、昔ながらの雰囲気と味はそのままだ。
 

相撲とゆかりのある街

中野には以前まで相撲部屋があったことから、相撲に関連したお店があるのも特徴。

 
元力士が全国の旨いものを食べつくしてたどり着いたというジンギスカンがたのしめる「ゆきだるま中野部屋」は、南口に2店舗。店内の随所に相撲関連のものが飾られ、相撲ファンにはたまらない。
 

 
「ちゃんこ力士 二子竜」は、その名の通り元二子山部屋の力士が営むちゃんこ屋さん。暑い日でもぜひちゃんこ鍋を食べていただきたい。「常蔵」は、2012年に元力士がオープンした立ち飲み店。立ち飲みと侮ることのできない美味しいつまみの数々が常連客の心を鷲掴みしている模様。
 

 
今回は「中野といえば!」という分かりやすい北側エリアを歩いてきたが、本当に酒飲みを愛し、酒飲みに愛される街だなぁ、というのが正直な感想。しかしそれだけではなく、日本のカルチャーを牽引する中野ブロードウェイの存在や、地元の人にも愛される名店の数々がアクセントとなっていることも間違いない事実。ダイバーシティなどが謳われるこの時代にあって、どんな人でも受け入れてくれる懐の深さを感じる人情深い街でもあるのだろう。
 
次回は、こんなもんじゃ終わらない!中野の新潮流を中心に、今回お伝えしきれなかった町の魅力をお届けします!
 
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 
〇中野で物件をお探しなら「居抜き市場」で!
 

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