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飲食店を狙った集中的な「低評価口コミ」 なぜ?対処方法はある?

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自分の店を見つけてもらい、口コミを参照してもらうことで集客に繋げたいー。飲食店としてはいまや当たり前になっているPRの方法だろう。しかしAIなどの技術進歩により、飲食店の口コミ欄に大量の悪意ある低評価レビューが送りつけられるという出来事があった。どう対処すれば良いだろうか。
 

1時間に40件近くの悪評価レビュー

NHKが、青森市内のある飲食店についてこのような取材をしている*1。
 
この飲食店ではある日、最も低い「星1つ」のレビュー投稿が1時間の間に40件も投稿されたのだという。しかも、アカウントは外国人からのものがほとんどで、コメントの内容は外国語、妙なものもあった。中東の言葉と思われる文字も並んでおり、
 
「妹のミリアムに会いに来て」
「妹のミリアムはヴィーガンマニアです」
 
という、飲食店の経験談とは無関係な文章も書き込まれていたのである。また、不審な口コミ投稿の前に「グーグルサポート」を名乗る女性から「金を払えば『クチコミ』の評価を操作して上げることができる」などと店に電話があったという*2。店主はこの話には乗らなかったが、非常に怪しい出来事である。
 
*1 「青森の飲食店クチコミに集中的低評価 犯罪者グループの攻撃か」NHK
*2 「青森の飲食店クチコミに集中的低評価 犯罪者グループの攻撃か」NHK
 

手口は巧妙化する可能性も

詐欺のような電話には出ずに済んだものの、店としては大きなダメージが残る。地方の店だけに一般客が得られる情報量には限りがあるため、Googleマップは店選びの基準として大きな存在になる。そして小さな店だけに、1件の書き込みが与える影響も大きい。何より、店主は精神的に大きなダメージを受けてしまった。専門家は乗っ取りアカウントを利用したスパム攻撃の可能性を指摘するが、今後AIなどを悪用すれば、この手の攻撃は容易になると考えられる。
 

飲食店はどう対応するべきか

だからといって飲食店側も無対策というわけにはいかない。そこで、まず自分の店の口コミチェックは定期的に行っておきたいのと同時に、Googleマップへの悪質な口コミを削除申請できることを知っておこう。
 
Googleは、口コミ、写真、動画などすべてのコンテンツについて禁止・制限の基準を設けている。虚偽のエンゲージメント、不実表示、関連性のないコンテンツ、意味不明なコンテンツなど飲食店に関係するものについても適用されるカテゴリがある。
 
実際の口コミの報告・削除申請の手順としては以下のような方法がある。
 
ひとつはビジネスオーナーとしての削除方法で、Googleビジネスプロフィール上での口コミ管理で、当該の口コミについて「クチコミを報告」「不適切なクチコミとして報告」の処理をする。
 
もうひとつは第三者として口コミを「違反コンテンツ」として報告する方法がある。Googleマップ上で店を検索し、クチコミ一覧を表示させると、クチコミごとに、投稿者の名前の横に「点が3つ並んだアイコン」がある。これをクリックし、さらに「違反コンテンツを報告」する。
 
なお、報告したクチコミについてGoogleがポリシー違反でないと判断した場合は、一度だけであるが再審査請求を送信することができる。詳細はこちらのリンクを参照してほしい。
 
コメントがなく星印だけがつけられるレビューに関しては、意図や内容を確認できないため削除の対象とはならないが、同一アカウントからの大量の送信などがあれば報告する価値はあるだろう。
 

毅然とした対処が必要

犯罪性のあるなしにかかわらず、悪意ある口コミに対しては店側としては毅然とした対応を取りたいものである。味の好みなどは個人によって異なるため、違う意見を口コミに書かれても客観的な判断は難しいところである。
 
しかし、中には店員の容姿を誹謗中傷する書き込みをされた飲食店もある。これはGoogleでも定められている「ハラスメント」「ヘイト」などに該当する可能性がある。こうした内容の口コミについては、他のグルメサイトでも削除要請を行ったり、「問題ある口コミ」としてサイト運営会社に報告するという態度を取るのが良いだろう。従業員を守るためにも必要な措置であるし、サイト運営側もその点については敏感にならざるをえない時代になっていると考えてよい。
 
また、日頃から口コミ欄に担当者が返信する習慣をつけるのも重要なことだろう。毎回店からの返信コメントがある場所では、明らかに不審な口コミはすぐに見抜かれてしまうからだ。また、来店客からも「丁寧な店」と受け止められるし、そのような場所での顧客からの指摘は店にとっても勉強になることだろう。
 
もちろん、気に障るからと言ってすべての口コミを削除するのも店として適切な対応とは言えないが、ネット上の口コミの影響の大きさについては敏感になる必要がある。放置すればどこでどのようなことを言われているかわからない世界になりつつあることには注意したい。
 
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