開業ノウハウ

甲州街道から南北に広がる、愛される2つの商店街〜幡ヶ谷〜

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調査日2022年9月26日
出店するならこの街だ!注目エリアをレスタ編集部が歩いて紹介 vol.3

 
新宿から、京王電鉄京王線でわずか2駅の場所に位置する街・渋谷区幡ヶ谷。新宿・渋谷方面から近く、都心と明大前をつなぐ京王新線沿いに位置しています。
 
幡ヶ谷には甲州街道が走っており、それを境に北側と南側に街が分かれています。北と南には商店街がそれぞれあり、そこには個性が光るお店がいくつも並んでいます。
 
今回はそんな幡ヶ谷に実際に足を運んで、調査してみました!
 

 

幡ヶ谷・基礎情報

 
乗り入れている路線▼
京王電鉄京王線
 
近辺の主な主要都市▼
新宿駅(約5分)、渋谷駅(20分)、池袋駅(25分)
 
チェーン店情報▼
・駅周辺スーパー…ダイエー、成城石井、ライフ、三徳、
・商業施設…幡ヶ谷ゴールデンセンター地下商店街
・飲食店チェーン店…デニーズ、日高屋、サイゼリヤ、ガスト、CONA
 
イベント▼
・六号祭り(7月中旬)
 

幡ヶ谷駅最大の特徴。ゴールデンセンター地下街

 
さっそく幡ヶ谷駅の構内から見ていきます。幡ヶ谷駅は改札が1箇所のみとなっており、そこから右に行くと北口、左に行くと南口の出口へと分かれています。通っている路線が1本のみなので、駅の規模はそこまで大きくありません。
 

 
幡ヶ谷駅には、「幡ヶ谷ゴールデンセンター地下街」があるのが大きな特徴です。駅構内の南口と直結しており、いくつかの施設と飲食店が入っています。
 
平日のお昼ごろだと、人通りはそこまでないようです。夕方から開店する飲食店がいくつかあるため、夜は帰宅した人たちなどが利用する流れがもう少しあるのではないかと思いました。
 
お昼の時間は、手前にあるマクドナルドが1番人の出入りが多かった印象です。
 

 
こちらは、ゴールデン地下街にある飲食店の1つ、「龍口酒家(ロンコウチュウチャ)」という中華料理屋さんです。中華好きの中では名店との噂で、昼は定食が楽しめます。中でも人気なのはディナーの時間に頼むことができる、シェフの「おまかせコース」です。お客さん側がオーダーのストップをかけるまで、さまざまな料理が出てくるというコースです。
 

歩けば歩くほど魅力が広がる。北口・六号商店街

幡ヶ谷は、甲州街道という大きな道路が京王線沿いに通っていて、大きく北と南で分断されています。甲州街道は国道20号線につけられた通称のことで、都心から長野県まで続く主要幹線道路のことです。甲州街道は交通量が多いですが、一歩小道に入ってしまえば、そこまで自動車の往来は多くありません。
 

 
では、北口側から探索していきます。北口を出て左に曲がり、甲州街道沿いに1分ほど歩いて行くと、飲み屋街が見えてきました。このあたりは大衆居酒屋や立ち飲み屋など、リーズナブルにお酒を楽しむことができる店舗が集まっています。奥の道を進んでいくほど、昔からやっている渋い店が発掘できるので、飲み歩きが好きな人にとっては穴場スポットかもしれません。
 

 
こちらは、北口を出てすぐの場所にあるビルの1階です。ここには韓国のフライドチキンのお店や、老舗の串カツ屋さんなどが入っています。仕事帰りにチキンを持ち帰るもよし、軽く1杯ひっかけて帰るもよし。駅近にあるので、気軽に立ち寄れる便利さが魅力的です。
 

 
そしてさらに進んでいくと見えてきたのが、「六号商店街」です。幡ヶ谷には、北口の「六号通り商店街」、南の「西原商店街」と、2つの代表的な商店街があります。それぞれに雰囲気の特徴があるのですが、まずは六号商店街から見ていきましょう。
 

 
六号通り商店街は平日でも人通りが多く、飲食店や酒屋、野菜売り場などは活気に溢れていました。商店街を歩いている人たちは、スーツを着た会社員というよりは、その地域で生活している人たちの方が、多く行き交っているようです。年齢層は20代や30代から、シニア世代の人たちもいて、さまざまな年代が幡ヶ谷で生活をしているようです。
 
商店街全体は賑やかなのに、不思議とどこか落ち着いた雰囲気があり、幡ヶ谷という街の居心地の良さを感じます。
 

 
チェーン店はあまり見かけず、個人店のレストランや居酒屋があり、どことなくおしゃれな雰囲気もありました。
 

 
古くからの店が並んでいる中、新しい店もちらほら見受けられました。スイーツ店やBAR、バルなどにも目を惹かれますが、少し奥の道に入って行くと、昔ながらのこぢんまりとした居酒屋も混在しています。
 
商店街のメイン通りに面している店を楽しむのもいいですが、奥まったところにも雰囲気のいいお店がたくさんあるので、幡ヶ谷は散策すればするほど魅力を深掘りすることができます。
 

 
六号商店街の道中、「新宿中村屋」を見つけました。店頭には、肉まんやあんまんのホットスナックが設置してあります。「新宿中村屋」は創業120周年を迎えた老舗の店舗で、中華まんや和菓子で有名なお店です。夜18時には完売していました。
 

 
中村屋は、昔から新宿を拠点に繁栄している名店です。幡ヶ谷には、以前新宿中村屋の工場もありましたが、現在は取り壊し作業をしており、工事中になっていました。
 

住宅街の中に佇む名店たち。南口・西原商店街

 
次は反対側の南口を見ていきます。南口は北口に比べ、喫茶店や公園があり、少し落ち着いている印象です。南口をすぐ出たところには、24時間営業のダイエーがあります。南口は少し奥に進むと住宅街になるため、より日常的に利用する店舗が揃っているようです。
 

 
南口を出て少し奥の方に進んだら見えてくるのが、「西原商店街」です。北口の「六号商店街」と合わせて、幡ヶ谷を代表する商店街の1つとなっています。
 
西原商店街の特徴は、六号商店街同様、個人で開いている店舗が集まっていることです。喫茶店やパン屋などの食べ物の店舗以外にも、レコード屋や雑貨屋、花屋、セレクトショップなどもあり、魅力的な通りとなっています。人通りは六号商店街に比べてやや少なく、ほどよい落ち着きを感じます。
 

 
西原商店街を歩いていると見えてくるのは、こんにゃく寿司のお店「KON」と、カフェ「RaiRai」です。「KON」は古民家を利用したカフェになっており、かき氷とこんにゃく寿司が楽しめます。「RaiRai」は、キーマカレーやハヤシライスも楽しめる、ごはんカフェです。西原商店街は個人で経営している店が多いせいか、お店の雰囲気や内装にこだわりを感じられ、チェーン店とはまた違った楽しみ方ができるお店がたくさんあります。
 

 
特に注目なのは、駅から歩いて5分ほどのところにある人気カフェ「PADDLERS COFFEE(パドラーズコーヒー)」です。入り口には桜の大木がそびえ立っており、お店に来るお客さんを出迎えてくれます。2015年にオープンした人気店で、平日の昼間もお客さんの出入りは多い様子です。お店全体が西海岸のような空間になっていて、テラス席もあり開放的な雰囲気を演出しています。
 

 
さらに駅を背に南に進むこと、約10分。パドラーズコーヒーからさらに奥に進むと、周りは完全に住宅街になってきました。
 
そんな住宅街の中にあるのが、幡ヶ谷を代表する名店、「カタネベーカリー」です。1階が店舗、地下がカフェになっていて、パンを購入してからそのまま食べて楽しむことができます。毎週月曜日が定休日です。「カタネベーカリー」はパン好きの中ではかなり有名なベーカリーです。個人で経営している小さなお店ですが、ピーク時は行列できるほどの人気店のようです。パンは国産小麦100%で作られており、クロワッサンとミルクスティックが人気メニューとなっています。
 

都心に近いながらも、自然豊かな落ち着いた街

 
幡ヶ谷は、公園が至るところにあり、自然がとても豊かな街でもあります。
 
駅から15分ほどのところにあるのは、「代々木大山公園」です。ここは渋谷区立の中でも1番の大きさを誇る公園で、野球場も2面併設されています。サイクリングやドッグランもあり、施設が充実した公園です。駅の近くにも、大きな緑道が通っています。これは「幡ヶ谷緑道」といって、代々木から笹塚まで続いている旧水路の上を整備した緑道になっています。長さは1kmほどになり、地域の人たちの休憩スポットやお散歩コースにもなって親しまれています。人混みを抜けて、心穏やかに過ごすことができそうです。
 

 
南のずっと奥の方に進んでいくと、代々木上原方面へと道が続いています。このあたりまで来ると完全に住宅街エリアになります。駅周辺は平坦な道が続いていましたが、住宅街のあたりからはアップダウンが少し出てきて、歩いていると息が上がる道も多々ありました。アパートよりは一軒家が多く、人通りもかなり減ってきて、全体的に静かでした。
 

おわりに

 
都心からさほど離れていないものの、落ち着きがあり魅力的な街・幡ヶ谷。隅々まで歩いて散策をすればするほど、いろんな店があり、新しい顔を見せてくれます。店主のこだわりを光らせている店が多い幡ヶ谷は、何度訪れても飽きさせない不思議な力があると感じました。
 
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 
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