飲食店開業者インタビュー VOL.17「炭火 ホルモンじゅう」東祐二さん
結果、私は常にラッキーなんです!
20年以上営業されていた喫茶店の物件に一目ぼれ。焼肉店として2019年2月21日にオープンしたのは、「炭火 ホルモンじゅう」オーナーの東 祐二さん。
店内はできるだけ、手作りにこだわった内装にリニューアル。
「オープンしてみないとわからないことがたくさんありました!」と話す笑顔の裏には、大変なことも数々あった様子です。包み隠さずお話いただける、東さんのお人柄とパワーに惹きつけられたインタビューでした。
―西新井の駅から向かってくるときに、「炭火 ホルモンじゅう」のわかりやすい看板が目に留まりました。
(東さん)目立ってました?よかったです。あそこの場所にどうしても看板を立てたくて、地主の方に頭を下げて、これから何でも手伝いしますから!と口説き落とし、格安の金額で了承を得たんです。
―こちらの物件に決めたポイントを教えてください。
(東さん)今回が初めての独立なんですが、物件を見たのはたった3軒のみ。自宅から西新井という場所がとても通いやすく、物件も15坪前後で探していましたので、まさにイメージが沸いたというのが率直な決め手ですね。近くに小学校があるのもファミリーが多い証拠だなと考えましたし、桜の木があったり、物件に小さいですがテラススペースがあったり。
そして何より、20年以上も営業されていたと思えないほど、厨房スペースも含め綺麗にメンテナンスされていたんです。掃除がとても行き届いていたんです。
―居抜き物件についての印象はいかがでしたか?
(東さん)私は、前の方がとても良い商売をされていたというのがまずラッキーでしたね。運が良かったと思っています。前のオーナーさんの影響って、やはりありますからね。うちのお店がオープンした後も、来店されるお客様の中には、喫茶店の常連様もいらっしゃいますし。居抜き物件については、やはりコストが低く抑えられるという点もありますが、動かすことができないものもあるので工夫は必要ですね。私の父が石材屋ということもあり、色々手伝ってもらいました。様々な箇所に人の手を加えています。そうするとモノを大切にしますから。
―なるほど。さて、オープンから3カ月ほどですが、営業のほうは順調ですか?
(東さん)大変ですね、飲食店って(笑)。私は、異業種の経験が長く、焼肉店での修行はそんなに多くないのですが、繁盛店の流れというものを体感してきた実績はあるので、あまり不安がなかったんです。ワクワクのほうが大きくて。でも、いざお店をオープンしてみると、思うようにオペレーションは進まないし、厨房を任せていた料理人とは意見の相違も出てくるしで、なかなかスムーズじゃなかったですよ。初め設置した蛍光灯が空気清浄をするというアイテムが、まったく作動せず、七輪で肉を焼いて、店内が真っ白になった事件とかもありました(苦笑)
―今は落ち着きましたか?
(東さん)まだまだです。でも3月に一度、3日間お休みし、体制を整えることに注力をしました。私自身も、オペレーションの再確認のために、定休日の日曜には知人の厨房に入って、いかにスムーズに進められるかの勉強に行くようになったのです。
トラブルが起きてみて、わかることもたくさんありました。
―では、まったく東さんはお休みがない状況なんですね。
(東さん)ですね。でも、うちのお店のお肉は本当に美味しいんです。独立の時に“自分が本当に食べたいものしか出さない”って決めたくらいなんで。でもいくら美味しくても、オペレーションの手際の悪さが目立つと印象は全然よくないですよね。
なので、お客様へのサービス向上のためには、休みがないことは気にならないんです。
―今後のお店のさらなる目標があれば伺いたいです。
(東さん)今は、本当にお客様の「おいしい」の声に支えられて毎日が幸せです。
「炭火 ホルモンじゅう」では、和牛を安価で食べてもらえるお店として地元の方に認知されたいんです。まだ、ホルモンという言葉にファミリー層の方は馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。でも、ハラミ、サガリといった、赤身と変わらないおいしさの部位もありますし。お客様とちゃんと向き合ってコミュニケーションをすることで、ファンを増やしていきたいです!将来は、コース料理もチャレンジしていく予定です。
―最後に、お店の名前「炭火 ホルモンじゅう」に込めた思いを教えてください。
(東さん)まず、じゅうじゅうと音が聞こえるというイメージが一つです。うちのお店では。岩塩プレートの上でお肉を焼くことを売りにしているので。そして、自分がサッカー好きというのも影響しておりまして(笑)サッカーのエースナンバーは10(じゅう)なので。
上を目指して頑張ります!
これから独立する方へ アドバイス 3箇条
- 其の1. 飲食店としての需要がある物件かをよく見極める
- 其の2. スタッフが働きやすい環境が大切
- 其の3. 良い食材をもうワンランク上に引き上げる努力を惜しまない。
お店ができるまで
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開業費内訳
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<おすすめ料理>
ハラミとサガリ
こだわりのお酒(島バナナとゆず)
店舗情報
店主経歴サービス業、イベントスタッフのキャリアを積みつつ、飲食店での独立開業を目指す。 |
取材・文 青山友美 食専門のPR企画&編集・ライターとして活動中
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