開業ノウハウ

五反田で飲食店を開業「花街の雰囲気が香る街並みに溶け込む、老舗店とお肉天国!」五反田駅編Part1

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調査日2024年11月23日
出店するならこの街だ!注目エリアをレスタ編集部が歩いて紹介 vol.19

 
品川に2003年から新幹線が停車するようになり、俄然利便性が上がってビジネスマンに注目されるようになった五反田。JRだけでなく東急池上線と都営地下鉄浅草線も利用可能。また複数のバスも乗り入れもあり、山手通りや国道1号も通っていることもあって車でのアクセスも便利。そんな五反田、実はかつて花街としても栄えていたり、高台には高級住宅街が広がっていたりと、歩いてみるとかなりワクワクが広がるエリア。今回は、そんな五反田の街を、まずは古き良き背景のあるお店を中心に歩いてみよう。
 

五反田・基礎情報

  
乗り入れている路線▼
JR山手線、東急池上線、都営地下鉄浅草線
 
近辺の主な主要都市▼
品川駅(JR山手線にて6分)・渋谷駅(JR山手線にて8分)

 
商業施設・チェーン店情報▼
・商業施設…アトレ五反田、五反田東急スクエア、(駅周辺ではないが)五反田TOC、五反田JPビルディング
・飲食店チェーン店…マクドナルド、ウェンディーズ・ファーストキッチン、ケンタッキーフライドチキン、サブウェイ、フレッシュネスバーガー、カレーハウスCoCo壱番屋、吉野家、松屋、すき家、スターバックスコーヒー、ドトールコーヒー、エクセルシオール 等
 
イベント▼
目黒川夢祭り
吉祥寺秋祭り
 

そもそも五反田ってどんな街?

五反田は城南五山という、古くは江戸時代に大名たちが武家屋敷を構えていた高台に囲まれ、その裾野には目黒川の通る平坦な地形が広がっているのが特徴。
 

 
大名屋敷が並んでいたことや、地盤が強固で安全性が高いとされている場所であることも手伝って、多くのオフィスビルや飲食店で賑わっている印象の反面で、現在では高級住宅地としても知られている地域。
 

 
駅のそばの通り名には、花街の名残も感じられ、その周辺には飲食店も多い。駅前はバスロータリーを囲むように「アトレ五反田」と「五反田東急スクエア」が。
 

 
「アトレ五反田」は1と2があり、どちらもJR線の改札口に直結。さまざまな飲食店はもちろん、アトレ五反田1の上層階には「ホテルメッツプレミア五反田」があり、利便性が高い。
 

 
「五反田東急スクエア」は2020年にレミィ五反田から生まれ変わった駅前のランドマーク。東急池上線の改札口とJR線の乗り換え改札口もあり、乗降客の出入りも多い。B1Fと1Fには「東急ストア」が入っているため、五反田住民にとっては無くてはならないショッピングモールだ。
 

 
五反田のランドマークとして古くから知られているのが、「五反田TOCビル」。こちらのビルは建物の老朽化などもあって再開発が決定し、2023年度中には解体の予定だったが、資材の高騰などを理由に解体が延期。今でもランドマークとして健在だ。
 

五反田で愛され続ける老舗店

古くは花街として賑わっていた五反田は、昭和40年頃までは料亭なども立ち並んでいたのだとか。その名残と思われる店が多いことでも知られているが、実は老舗や名店も多数。
 

 
知らないと見つけるのが大変な路地裏の名店「日南」は、1979年に創業の居酒屋で、昭和の有名人が足繁く通ったことでも知られている。「鳥茂」は1952年創業のもつ焼き店。歴史を感じるのれんをくぐると、ジューシーな串焼きが堪能できる。
 

 
1950年に創業した「グリルエフ」は、創業以来継ぎ足し続けているデミグラスソースを使用したメニューが大人気。名物のハヤシライスは、さらりとした中にも深いコクがあり、歴史の奥深さを感じられる味わいに。
 

 
「すしやの馬太郎」は、1貫110円〜とリーズナブルに寿司が楽しめ、安い・旨いと評判で1980年から続いている。2013年オープンの、赤い看板が目印の「ぽるこ」は、ランチタイムには必ず行列ができるというイタリアンがベースのレストランで豚肉料理が中心だ。
 

 
1990年創業の「フランクリンアベニュー」は、グルメハンバーガーの老舗的存在。アメリカの食文化を楽しめるとして多くのファンが足繁く通う名店。1968年創業の「中華料理 梅林」は、五反田の町中華を支え続ける名店。名物の焼きそばはなんと16種類もあるそう。
 

 
1955年創業の「スワチカ」は、カウンターのみの洋食店。小さな店内で楽しめるのは、とんかつやメンチカツなど、お腹いっぱいになれる定食メニューが充実。五反田の代名詞とも言える「おにやんま」は、この地で2010年に創業したさぬきうどんの立ち食い店。うどんと書かれた白いのれんに吸い込まれるように、多くの「おにやんま」ファンがオープンから閉店までひっきりなしに入っていく光景が見られる。
 

忘れてはならない肉!肉!肉!

五反田と言えば、なんと言っても肉!焼肉やホルモン、鶏料理や焼き鳥店、ハンバーグにステーキと、実に多彩なラインナップになっていて、必ずお気に入りが見つかるだろう。
 

 
まずは、五反田でとにかく目にするのが焼肉店。その中でも肉の部位をウリにした店舗が多いことに気付かされる。五反田焼肉としてはメジャーな「じゅう兵衛」は本店の「焼肉問屋じゅう兵衛」のほか「じゅう兵衛はらみ堂」「片面あぶり焼肉じゅう兵衛」があり、グループの特性を活かして1頭買いした上質の肉を、よりリーズナブルに各店舗で展開。
 

 
続いて、不動の人気を誇る「大阪焼肉ホルモンふたご」は五反田エリアに現在2店舗。少人数でも楽しめるポーションで提供されるため、色々な種類のメニューが楽しめることでも知られている。
 

 
西麻布に本店を構える高級焼肉店「うしごろ」の五反田店や、大井町に本店があり、溶岩焼肉でも有名な「五反田銭場精肉店」も、グループでの強みで良質な肉が提供されている。
 

 
「塩焼肉あぐら」は2024年オープンの新店ではあるものの、塩味をメインで肉を提供するという新しいスタイルで注目店に。錦糸町が発祥の「焼肉ここから」は、元祖分厚い焼肉店として知られ、極厚の肉を堪能できる。
 

 
五反田では老舗焼肉は使い勝手の良さも人気の秘訣。「香龍園」は仙台牛を中心とした焼肉だけでなく、本格的な韓国料理も味わえ、フロアは3階まであることからさまざまなシーンで活用できそう。五反田駅前という最高の立地に2店舗を構える「大山飯店」は、個室も完備でビジネスシーンにも対応。
 

 
「ネギタン ホルモン 寺山」は、高級店の味を気軽に楽しめることをテーマにオープンし、名物のネギタン塩で人気となった注目店。また、「タンとタン焼肉いわしげ」は、1年先まで予約待ちで有名な「四谷ヒロミヤ」の監修店。こちらは宴会メニューでもタンづくしのコースが楽しめるそう。
 

 
「炭火焼肉ホルモンまるは」2017年のオープン以降、予約必須の名店としても有名に。とにかく新鮮な肉とホルモンが堪能できる。「亀戸ホルモン」は言わずと知れたホルモンの有名店。良質のホルモンがいつでも楽しめることからその名は全国区に。
 

 
レモンサワー発祥の店としても知られる「もつ焼ばん」。実は、中目黒本店が長い歴史に幕を下ろした後の2006年に暖簾分け店として出店されたのがこの五反田店という由緒ある店舗なのだ。「焼きとん酒場 かね将」は、名物の焼きとんはもちろん、大衆酒場的なツマミメニューも充実で酒が進むこと間違いなし。
 

 
五反田で肉と言えば、多くの人が思い出すであろう、こちらは「ミート矢澤」。黒毛和牛精肉卸店として有名なヤザワミートの熟練スタッフが目利きした最高品質の牛肉を使用した、絶品のステーキとハンバーグ専門店で、こちらが本店。
 

 
チェーン店の強みを活かし、リーズナブルにハンバーグをはじめとした肉料理が提供される「グリルハンター」は、駅前の好立地に。「アルカサール牧場」は、俵形に成形されたハンバーグを熱々の鉄板で自身の好みの焼き加減が楽しめるスタイルが人気。
 

 
「ステーキ&グリル IRON HORSE」は、肉をツマミに酒が楽しめるというのがピッタリな、バースタイルのステーキハウス。そして「MONSTER GRILL」は、その名の通り大食いチャレンジなどでも知られるボリュームタップリなステーキとハンバーグが中心。
 

 
忘れてはいけないのが、「鶏肉専門店 信濃屋」。こちらは1952年創業の鶏肉専門の精肉店で、新鮮で格別に美味しい鶏肉が買えると有名で、他県から訪れる人もいるのだとか。惣菜なども豊富で揚げたてが提供される時間には行列ができることも。また、「信濃屋の肉を使用している」ということをブランディングにしている店もあるほど。また2018年には近所に2号店として「信濃屋+(プラス)」という鳥だし専門店をオープン。こちらも売切御免の人気店だ。
 

 
焼き鳥以外の鳥料理が提供されるのは「鳥料理それがし」。こちらは五反田で人気の「酒場それがし」の系列店で、名物のとり辛すきや水炊きが人気。「とりさくせす」は、大分の冠地鶏が、特殊な製法によって生のような食感と味が楽しめると注目の一店。
 

 
「黒鶏ファニー」は、鹿児島地鶏・黒さつま鶏黒王の鶏刺しと炭火焼き専門店。駅前の喧騒から離れた場所に位置することもあって、芋焼酎と共に地鶏がゆっくりと堪能できる。
 

 
五反田でとんかつと言えば「あげ福」。ヤザワミートで修行を積んだ料理長が厳選した岩中豚を、ジューシーで柔らかく、そしてカラリと仕上げている。「とんかつ檍」は蒲田に本店を構えるとんかつの名店で、ランチタイムには行列ができることも多い。
 

 
変わり種の肉料理の「C’sRecipe吉田肉酒屋」。こちらでは馬肉やダチョウ肉の生肉といった、なんとも珍しいメニューも楽しめる肉酒場。2021年に明大前から移転してきたのだとか。
 

ホテル内に人気店のひしめく飲食街!

 
ディープな五反田と聞くと「五反田ヒルズ」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。こちらは目黒川沿いに建つ、「ヒルズホテル五反田」の階下に展開される飲食街のこと。
 

 
中に入ってみると、吹き抜けになったフロアをぐるりと囲むように、スナックや小料理屋、バーなど約50店舗の飲食店が軒を連ねており、昭和感満載。しかしながら知る人ぞ知る名店も多く、五反田の飲食店を牽引していると言っても過言ではないだろう。
 

 
まずは予約が取れないことでも知られる「食堂とだか」と「立呑みとだか」。噂では、五反田ヒルズ内のこちらの2店舗での新規予約はお断り、9割が常連客だが、その予約が2年待ちとも言われ、東京でトップクラスの人気店とも言える。
 

 
こちらは、「きになるグループ」とでも言えば良いのだろうか…まず「きになるき」は完全予約制の豪快な小料理が楽しめる日本料理店。「きになる嫁デラックス」は、系列店でも何でもないが「きになるき」から名前を貰い受けた五反田の嫁的おばんざいを提供する、こちらも和食店。2時間食べ飲み放題という嬉しいシステム。そして、その「きになる嫁デラックス」の2号店として誕生したのが「きになる嫁武道館」だ。
 

 
「寿司処 都々井」は、かつて高架下で大人気だった立ち食い寿司が、移転オープン。1貫100円〜とリーズナブルで、立ち食いスタイルも健在。「和食・日本酒 月。」は季節を味わう、をコンセプトに旬な素材を提供。希少な日本酒も楽しめることでファンも多い。
 

サラリーマンに大人気!カレーの人気店

 
2001年にオープンの「カレーの店 うどん」という何屋なのか、はてなマークが頭にいっぱい浮かぶこちらの店は、カレー好きの間ではかなりのスープカレーの人気店。薬膳の効いたスパイシーな味が印象的。鉄鍋で提供される煮込みカレーでお馴染みの「Hot Spoon」は、スパイスたっぷり・野菜たっぷり。牛すじ煮込みカレーが人気だが、チキンカレーにも多くのファンがいて、ランチ時には行列ができることも多い。
 

 
自分好みにカスタマイズしたカフェオレが楽しめるカフェオレ専門店の「Café au lait Tokyo」で提供されるのは、なんとカフェオレカレー。黒いごはんはコーヒーで炊いているのだとか。昭和の空気が漂う「喫茶 マジョルカ」で、来店客の多くが注文するのがカレー。少し辛めのカレーは、誰もが懐かしいと感じてしまう家庭の味。
 

 
今回はまず、古くからある五反田を中心に散策をしてみたが、もともと花街であった場所から飲食店が増えてきたという背景が色濃く滲み出ている街であるということを実感。そして何と言っても「肉」の店が多いこと!芝浦が近いというロケーションに起因するものである可能性は高いが、やはり働く人々のお腹を満たすには肉が人気、ということだろう。また、店の看板に部位を謳う店舗も多く、肉のトレンドを知ることもできたのではないかと思っている。
 
次回は、五反田のニュートレンドを中心に散策していきたいと思うので、お楽しみに。
 
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 
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