再開発と古き良き商店街が交差する街・小岩
東京23区で最東端の地、江戸川区・小岩。東京都と千葉県の境に位置しており、江戸川を挟んで千葉県市川市と隣接しています。
小岩の街のイメージは、「飲み屋が多く、昔ながらの店や歓楽街が並んでいる下町」という印象を、多くの人が持っていると思います。ですが、現在は駅前の再開発が大きく進み、今世間からとても注目されている街なんです!そんな、大きく変わりつつある街「小岩」に、実際に足を運んで、調査してみました。
小岩・基礎情報
乗り入れている路線▼
JR総武線各停、京成線(小岩駅、江戸川駅)
直結で行ける主な主要都市▼
新宿駅(約40分)、秋葉原駅(約20分)、船橋駅(約15分)
人口情報▼
人口:97,622人(令和3年4月1日現在)
注釈:江戸川区総人口694,630人の約14パーセント
引用:小岩地区の紹介 江戸川区ホームページ
チェーン店情報▼
・駅周辺スーパー…オオゼキ、サミット、業務スーパー、肉のハナマサ
・商業施設…Shapo、イトーヨーカドー、ドンキホーテ、
・飲食店チェーン店…サイゼリア、ケンタッキー、スターバックス、ドトール、吉野家、星乃珈琲店、やよい軒、CoCo壱、日高屋、餃子の王将、土間土間、温野菜しゃぶしゃぶ
イベント▼
・江戸川区花火大会(5月下旬)
【小岩駅・南口】昔ながらの商店街の中で新たな再開発が進む、今注目のエリア
まずは改札を出て、南口方面から見ていきます。南口はロータリーになっており、バスやタクシーが出入りする場所になっています。バス停は5ヶ所設置されており、錦糸町や両国方面に行くものと、金町・柴又方面に行くものがあります。そのほかにも羽田空港と成田空港に向かうバスもあり、日常使いと旅行、どちらにもアクセスがしやすく便利な印象です。
【タクシー乗り場には、地下ロータリーもある】
そして、南口は現在大規模な再開発が行われています。南口を出てすぐ右側にそびえ立つのは、「FIRSTA koiwa」(ファスタ小岩)という施設です。Ⅰ地区、Ⅱ地区、Ⅲ地区の3棟が順次建設される予定で、現在完成しているのはⅠ地区とⅡ地区になります。
【FIRSTA koiwa Ⅰ地区】
Ⅰ地区は10階建てになっており、くら寿司やドトール、快活CLUBなどの商業店舗があります。上層階にはオフィスとジム施設が入っています。Ⅰ地区は商業メインとなっていて、Ⅱ・Ⅲ地区は住宅を主とした高層マンションになる予定です。
【FIRSTA koiwa Ⅱ地区】
Ⅰ地区のとなりに建っているのがⅡ地区。I地区よりさらに高い22階建てです。1階にはケンタッキーなどの商業施設が入っています。さらに奥には、これから建設予定のⅢ地区が現在工事中です。Ⅲ地区は一番高い33階建てを予定しています。地下には駐輪場も設置されるようです。
Ⅰ地区は2021年1月、Ⅱ地区は2022年5月にすでに開業しており、現在建設中のⅢ地区は2026年の1月に開業予定になっています。駅近での建設や開発が進んでいることもあり、小岩をベッドタウンとする住民の増加がさらに期待されそうです。
再開発が行われている反対側、南口を出て左側に広がっているのが「小岩地蔵中央通り」です。こちらは対照的に、昔からの飲み屋が集まっている通りになります。通り自体はそこまで大きくないものの、居酒屋やスナックなどが密集しており、小岩は歓楽街という世間のイメージは、この地蔵通りの印象が強く残っているからかと思われます。
地蔵通りを奥に進んでいくと、業務スーパーが見えてきます。小岩は都内の中でも、家賃相場・物価ともにかなりリーズナブルな地域です。暮らしに必要な出費も抑えやすく、住みよい街としても注目されています。また、道ゆく人は自転車に乗っている人がかなり多く、地域住民が地元の商業施設を頻繁に利用していることがわかります。
さらに奥に行くと、反対側の北口方面へとつながっています。南口を出て地蔵通り、北口につながるまでのこの道のりが、小規模な飲食店などが密集している地帯のようです。道も細く、いろんな店が雑多に入り乱れています。夜になると、居酒屋などは日頃からの常連のお客さんが集まり、賑わいを見せます。
【駅から見た南口の様子】
そして南口の特徴として、商店街が多く集まっていることが挙げられます。駅を背にして左には「サンロード」、正面には「昭和通り商店街」、右には「フラワーロード」という、3つの商店街が並んでいます。
まずは左側の「サンロード」から見ていきましょう。商店街手前にはとんかつ、たこ焼き、ケーキ屋など、購入して持ち帰る「中食」系の飲食店があります。少し商店街の中に入ると、居酒屋やラーメン屋なども、いくつか見受けられます。
サンロードは飲食店のほかに、古本屋やダイソー、ドンキホーテ、美容室など、日常生活に必要な店舗が集まっている通りになります。
次に南口正面、「昭和通り商店街」を見ていきましょう。名前の通り時代を感じる建物が並び、ほかの商店街に比べて、昔ながらの雰囲気が強く感じられます。
店舗もスーパーなどではなく、魚屋や米屋など、昔から個人経営をしているような店舗が目立ち、地元の人に愛され続けているようです。
こちらは創業56年になる老舗居酒屋「鳥正」。昭和通りの中間地点にあり、5月にはテレビで放映されました。地元の住民に長く愛されている、下町感あふれる店舗です。
サンロードと違って昭和通り商店街は、車より徒歩や自転車での通行量の割合の方が多く、より住宅地に近い雰囲気が感じられます。夜は総武線の到着に伴い、仕事帰りの人が行き交います。
そして最後は右側にある、3つの商店街でもっとも大きい、「フラワーロード」です。商店街入り口付近は再開発をしていることもあり、現状店舗の入れ替わりが1番行われている商店街になります。
フラワーロードの手前にはサミット、奥にオオゼキがあり、サミットは深夜1時まで営業しています。また、ダイソーやセリア、薬局も多数店舗があり、日常生活をするのに便利な店舗が揃っています。また、星乃珈琲店を始めとして、喫茶店もフラワーロードに集中しており、昼間は高齢者を中心に、地元住民の利用も見られます。
そしてフラワーロードの特徴は何と言ってもその“長さ”。10分ほど歩いても商店街の中間までしか辿り着きません。奥に行くと文房具屋や中古家電を取り扱う店舗もあります。フラワーロードは、出口までアーケードで覆われているため、雨でも外出がしやすくなっています。小岩は、どこにいても日常的に利用する店舗に関しては、充実している印象です。トレンドのショップなどは少ないものの、普段の暮らしをしていく分には、とても住みよい街となっています。
【小岩駅・北口】千葉と都内をつなぐ「蔵前橋通り」
次は反対側の、北口方面を見ていきます。北口は南口に比べて、大きな商店街があるわけではないものの、商業店舗が多く集まっています。北口を出て目の前にはイトーヨーカ堂があり、日常生活の買い物には困ることはなさそうです。
【北口を出てすぐにあるイトーヨーカ堂。入り口にはフードカーなども来ており、賑わいを見せる。】
現在再開発が目立つのは南口ですが、北口も再開発が着々と行われています。タワーマンションや複合施設が建設予定となっており、南口とともに小岩の駅周辺は大きく変化していくようです。
北口を奥に進んでいくと、「蔵前橋通り」に出てきます。隅田川を横断し、千葉と都内をつなぐ4車線の大きな道路となっています。この蔵前橋通りを通りすぎ、さらに奥に進むと京成小岩駅が見えてきます。この辺りからは住宅地が増えてきて、賑やかな商店街の面影は減っていくようです。
地域に根付く、多国籍な文化
また、小岩の特徴の1つとして、アジアの人向けの少しニッチな食材を販売している店舗が多い、というものがあります。
もちろん、気軽に外食として楽しめる飲食店もあるのですが、そういった店舗も本格的なものになっており、韓国料理屋やタイ料理屋などは、実際にその国の方たちが出店している店舗がほとんどです。
そんな中でも目を引くのは、小岩に住む外国の人向けの店舗が多いということです。小岩に住んでいる中国や韓国、タイやベトナムの人が、日常的に使用する食材などを販売している店舗もよく見かけました。小岩には、中国や韓国、インド、タイ、ベトナムなど、さまざまな国の人が住んでいます。物価の安さや便利さから、住みよい街だと感じているのは、国内の人だけではないようです。
おわりに
小岩という街は、多くの要素が混在しており、ほかの地域とは一味違った魅力を放つ街でした。
再開発が進み、新たに移り住んでくる人たちが増える可能性も秘めており、その一方で昔ながらの店も多くある、不思議な街です。商店街には、庶民的な雰囲気が強く残っていて、地域の人に長く愛されている店も、たくさん残っています。
そんな中、小岩には新たな時代の風が吹いてきています。さまざまなものや人を受け入れるこの地は、飲食店の新たな可能性も大きく秘めていると感じました。
飲食店開業応援マガジン RESTA [レスタ] では、小岩で出店された方のインタビューも掲載しています。
ぜひ参考にしてみてください!
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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