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進化を続けるDX化 中国の文化とともに新しい飲食店の在り方を発信する〜池袋・沸騰小吃城〜

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こんにちは、ライターのはるまきもえです。みなさんは中華レストランが集まっていると聞いて、どんな場所を連想しますか?多くの人は横浜中華街をイメージすると思います。
 
ですが、ここ池袋駅北口の周辺は、“チャイナタウン”と言われるほど、多くの中国料理店が集まっているのです。料理店だけではなく、中国産の物珍しい食材が並ぶ卸し屋から不動産屋まで、日本に住む中国人の生活に寄り添う店が、ズラリと並んでいます。ある意味、中国料理店激戦区ともとれるこの池袋。そこに、いくつもの地域の本格中国料理が一度に楽しめる「マジ中華」なお店があるとの情報が。さっそく現地調査へと向かっていきます!
 

 

沸騰小吃城

池袋駅の北口を出て文化通りを直進すると、大きな看板が目に飛び込んできます。
 

沸騰小吃城

〇住所:東京都豊島区西池袋1-43-7 3階
〇営業時間:午前11時-午後23時
2階が「沸騰三国」、3階が「沸騰小吃城」となっており、2フロアにわたり中華を楽しむことができる。「沸騰三国」は火鍋がメイン。「沸騰小吃城」は、フードコートのようなスタイルになっており、さまざまな地域の中華が注文できる。

 

 
今回紹介するのはこのビルの3階、「沸騰小吃城」(ふっとうシャオチーチェン)というお店です。2階は火鍋を提供している「沸騰三国」という店舗になっており、こちらは2021年の3月にグランドオープン。その後、3階の「沸騰小吃城」が2021年9月にオープンしました。さっそく店内へと入っていきましょう!
 
内装はスッキリとしたデザインとなっており、昼間はカップルや、女性のお客さんがひとりでランチをしている姿が見えました。広報担当の朱(シュ)さんに、普段のお店の様子をお伺いしていきます。
 
朱さん「コロナ禍ということもありますが、緊急事態宣言が解除されてからは、夜の時間帯も活気が戻りつつありますね。割合でいうと日本人と中国人のお客様は同じくらい来店されています。お昼はランチなど、女性のお客様に気軽にご利用いただくことも多いです。」
 

 
店内のつくりはフードコートのようになっており、壁沿いにキッチンが配置されています。見渡すと、それぞれの地域別に料理の提供される場所が分かれているようです。このお店のつくりこそ、ほかの中国料理店と違った魅力を生み出している理由になっているそうです。
 
朱さん「池袋は中国料理店が多くあるのですが、1店舗につき1つの地域料理を提供している店が多いんです。なので、さまざまな地域の中国料理を1つの場所で楽しむことができるという点が、『沸騰小吃城』の魅力になっています。」
 
中国料理は歴史がとても古く、地域によって料理の特徴が異なります。メジャーなものだと「上海料理」や「北京料理」、「四川料理」などが挙げられますが、ここ「沸騰小吃城」では、ほかにも多くの地域料理を楽しむことができます。多くの地域料理が網羅されているので、普段食べたことのないようなものに挑戦してみるのもおすすめです!
 

沸騰小吃城で提供している地域料理

・点心、上海
軽食や朝ごはん、間食に合うような手軽に食べられる中国料理。
・東北串焼き
中国の東北料理として有名な串焼き。羊肉を使用したものがポピュラー。
・広東料理
中国4大料理のうちの1つ。豊富な種類の野菜やフルーツを使用しているのが特徴。
・湖南、湖北、雲南料理
中国料理のなかでも特に辛味が強いものが多く、酸味があるのが特徴。
・四川、重慶料理
ガッツリと食べられるおかず系。夜ご飯に合う料理が多い。
・麻辣噛味
痺れる辛さが特徴。醤油ベースのスープで煮込んでいる料理などがある。
・福清砂鍋、串焼き
海に近い地域から発祥した料理。乾物を出汁にしたスープや鍋物が多い。
 

本場中国で進化を続けている、飲食店のDX化

 

 
「沸騰小吃城」は、さまざまなものがDX化しているのも大きな特徴です。メニュー表はなく、注文をするにはこのQRコードを携帯のカメラで読み取ります。読み取ると、メニュー一覧が携帯の画面に表示され、ここから注文をすることができます。
 
朱さん「中国では近年、飲食店のDX化がどんどん進んでいます。注文や発注作業などもネットを使って行っていたり、お支払いもキャッシュレスの店舗がかなり増えていますね。」
 

 
「沸騰小吃城」の支払い方法も、キャッシュレス対応。飲食店におけるデジタル化は、業務の効率化に加え、コロナ禍というこの時代にも、対応しているみたいです。
 

▲夜のピーク時に活躍する猫の配膳ロボット。天井の印から電波が流れ、動くしくみになっている。
 
触ると表情が映し出される、可愛らしい配膳ロボットも。店内の至るところで、デジタルを取り入れている様子を感じられます。
 
また、「沸騰小吃城」はデリバリーも行っており、Uber Eatsのほかにも、中国人向けデリバリーの「EASI」にも対応しています。コロナにより外食の機会が減り、デリバリーなどのネット市場が拡大したのはもちろんですが、日本人だけではなく中国人に向けての需要にも、しっかりと対応しています。
 

どの地域のお客様でも、ともに楽しめるお店づくりを

モバイルオーダーで頼んだ料理が到着しました。まず注文したのは、「沸騰小吃城」人気トップ3の商品です。1番人気は羊肉串、2番人気は焼き小籠包、3番人気は写真右の揚げUFOです。そして定番のタピオカドリンク。羊肉串はピリ辛で独特な風味があり、お酒にもよく合う少し濃いめの味付けです。揚げUFOはパリパリの皮に包まれて、中には牡蠣が入っています。野菜の甘味もあり、ちょっとした間食にはぴったりです。
 

 
入り口の近くには台湾のタピオカ専門店も併設されており、料理とともにモバイルオーダーで頼むこともできます。
 

 
続いて到着したのは、ピリッした辛さの「四川涼粉」。寒天、きゅうり、パクチーを、ラー油ベースのピリ辛ソースに絡めて食べる、涼しげな一品です。もう一品はガッツリとした土鍋の「砂鍋鶏肚煲」。モツと牛のハチノスが入っていて、汁は生姜が効いています。ビールとの組み合わせも最高です!
 

▲左:四川涼粉、右:砂鍋鶏肚煲
 
メニューはかなりの数が用意されており、どれを選ぶのかかなり迷いました。ですが、一品一品の価格はリーズナブル。安心して複数の注文をすることができます。
 
朱さん「フードメニューだけでも200〜300種類はありますね。新しいメニューも少しずつ取り入れています。1つの料理だけではなく、小皿でいろいろな種類の料理を味わって欲しいという思いがあるので、価格はリーズナブルなものにさせていただいています。店名の『小吃』(シャオチー)は、中国語で“小皿”という意味なんですよ。」
 

 
できるだけ多くの種類を楽しんで欲しいという思いから、この価格設定でこれだけの数のメニューが用意されているようです。また、料理の地域性もさまざまなものがあり、好みが違う人同士でも、一緒に楽しむことができます。
 
朱さん「料理人は、それぞれの地域料理を得意としている方たちに担当してもらっています。同じ中国料理でも、人によっては好みの違いや、生まれ育った地域性があります。そういった方たち同士でも、一緒に楽しむことができる場にできたらと思い、このようなお店づくりにしました。種類は多いですが、すべて本格的な味で仕上げている自慢の料理たちですので、多くの人に楽しんで欲しいですね。」
 

沸騰三国

 

 
こちらは2階にある「沸騰三国」。火鍋を中心としたメニュー展開になっているそうです。店の中央には、冷菜と火鍋のタレをお好みで調節するための調味料が並んでいます。
 

 
注文方法は3階のQRコードとは異なり、タブレット式になっています。
 
朱さん「個室にはカラオケも完備していて、火鍋を食べながら楽しむことができます。中国の楽曲も多く入っているので、中国人の方にも心置きなく楽しんでもらえるはずです。」
 

“技術”と“人の温かみ” 2つの面から進化を続ける飲食店の在り方

 

 
飲食店のDX化が進んでいる中国。その流れを取り入れつつ、多くの人が楽しめるような工夫もあり、新しい飲食店の姿を見ることが出来ました。しかしこれは通過点に過ぎず、今もまだ理想のお店づくりに向けて成長中のようです。
 
朱さん「今はコロナ禍もあり、営業時間を短く調整しています。ですが、世の中の流れを見ながら、少しずつ理想のお店の姿を目指していきたいです。日本人も中国人も、地域や国境関係なく一緒に料理を楽しむことができる。その軸を持ちながら、よりよい形にお店を進化し続けられたらと思っています。」
 
最新の技術を取り入れながらも、お店で料理を楽しむ良さを提供する。時代に合わせて進化を続ける「沸騰小吃城」のこれからの姿がとても楽しみです。みなさんも機会があれば池袋に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
 

取材・文 はるまきもえ 

 

 

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