開業ノウハウ

飲食店開業にかかる資金とは 「当初の計算よりお金がかかった!」

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「当初の計算よりお金がかかった!」

 

殆どの飲食店開業者がこのように言います。私もこれまで数々の開業のお手伝いをしてまいりましたが、計画通りの開業費で収まるケースは稀でした。開業費がオーバーすると、開店後、運転資金が枯渇して宣伝活動や運営の改善に注力できず、事業を軌道に乗せることに時間がかかってしまうケース、最悪の場合、そのまま閉店に追い込まれてしまうケースも多く見受けられます。
資金計画に失敗しない為に、まずは飲食店開業に必要な費用は何があるのか、自分が開業するときには何が必要か把握するところからスタートしましょう。

①物件取得費

  • 店舗資産(造作)譲渡
    居抜き店舗の場合、造作や厨房機器などを譲渡してもらう為に買主が売主に支払うお金。立地が良いと高くなる傾向に。
  • 保証金(敷金)
    貸主に預けるお金。(賃料の6ヵ月分~12ヵ月分)退去時には返還されるが、通常は償却(関西地方では敷引きがそれに該当)が設定されておりその額を差し引いたものが返還される。
  • 礼金
    賃貸借契約のお礼として貸主に支払うお金。返還はされない。
  • 仲介手数料(賃貸借契約分)
    物件の賃貸借契約を仲介した不動産会社に支払うお金。
  • 仲介手数料(店舗資産譲渡契約分)
    店舗資産譲渡契約を仲介した会社に支払うお金。取扱会社によって名目や手数料率・金額が異なる。
  • 保証会社保証料
    保証会社(※)に支払うお金。立替えて支払われた賃料等は、後日、保証会社より借主へ請求がいく。初回保証料としては月額賃料+管理・共益費等の100%が多い。
    (※)保証会社とは、借主が賃料等の支払いを滞納した際に、借主に代わり立替えて賃料等を支払う会社のこと。
  • 前賃料
    契約した翌月の賃料を予め支払うもの。
  • 前管理・共益費
    契約した翌月の管理・共益費を予め支払うもの。
  • 保険料
    火災や漏水、第三者とのトラブルによる損害補償などのリスクに備える為の保険料。

②店舗設計費、工事費

・設計費、設備設計費

・設備工事費(電気やガス、水道、空調、給排気の工事費)

・看板、ファサード制作費

・内外装費

・厨房機器費家具、什器購入費(テーブル、椅子、サービス台などの購入費)

・設計、デザイン費(設計士、デザイナーに支払う費用)

③備品類、その他

・食器、調理器具、消耗品など

・レジ、パソコン、電話、音響機器など

・人材募集費

・販促費(ホームページ、グルメサイトなど)

・印刷費(チラシ、ショップカード、メニューブックなどの印刷費)

・その他(ユニフォーム、ディスプレイなど)

④運転資金

・オープニング時の仕入費

・家賃

・人件費

 

開業資金の内訳は上記のように区分され、個人で開業する小規模店の場合、一般的に600万円~1200万円程度が開業費の目安となります。

また、スケルトンか居抜き物件かによっても費用は大きく異なりますのでVOL.2でご説明します。

 

進行役 川瀬 亮太
飲食店プロデュース会社、ROOTage(株) 代表取締役。

 

 

 

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